|
毎年会場の入り口に飾られる鶴見和子さんの写真 |
|
晩年のご自身を山姥とおっしゃる鶴見和子さん |
今年も7月31日、故鶴見和子さんを偲ぶ山百合忌に出演させていただきました。
もう5〜6回目になるでしょうか。
語りと舞「山姥──いよよ燃立つ炎ひとすじ」
野村四郎(節付・謡・舞)
金子あい(語り・舞)
佐藤岳晶(作曲・歌・三味線・箏)設楽瞬山(尺八・龍笛・能管)
構成・演出 笠井賢一
鶴見さんの著書からテーマを決めて選んだ文章を語らせていただくのですが、今年は、前半が志村ふくみさんとのお話や着物のことについて、後半は退位された両陛下との交流についてでした。両陛下のお詠みになった和歌も使わせていただき、人間国宝の観世流能楽師野村四郎師による深みのある素晴らしい謡と舞、私も鶴見さんになったつもりで相舞ををさせていただきました。生前、鶴見さんが仰っていたことを参加者の皆さんが偲ぶことができるような作品でした。
衣装は、いつも鶴見さんの形見の着物を着せていただきます。鶴見さんは日本舞踊をなさっていたこともあり、本当に素晴らしい着物をたくさんお持ちです。私は背格好がちょうど同じくらいだそうで、寸法がぴったり。緊張いたしますが、いつもとても楽しみにしています。今年は13回忌ですので、生前お召しになっていた着物や帯を10点ずつ、扇やお若い頃の写真なども会場に展示されて、いつもよりももっと鶴見和子さんの存在を感じました。
残念ながら、私は生前の鶴見和子さんにはお目にかかったことがありません。映像で話し方や雰囲気など研究してみたりもしましたが、癖を真似しようとするとなんだかかえって不自然になるので、想像で語っています。鶴見さんのお書きになった文章を繰り返し読んでいると、こんなことが仰りたかったのではないか、こんなことを面白がっておられたのではないかと、だんだん自分の中に「鶴見和子」という人が現れてくるような気がします。本番の時は、鶴見さんの依り代になったつもりで語ります。形見の着物に袖を通すと、なんだか、ふっと鶴見さんが後ろにいるような心強さを感じるのが不思議です。
妹の内山章子さんや生前の鶴見和子さんと親交のあった方々から「まるで鶴見和子さんが話しているようだった」とおっしゃっていただくと本当に嬉しい気持ちになります。
鶴見さんとご交流のあった上皇后様からも優しいお言葉をかけていただき嬉しいご感想を頂戴しました。毎回本当に励みになり、とても光栄に思います。
きっぱりとしていて、ユーモアがあって、平和を愛し、探求することが何より楽しそうな鶴見和子さんと、ご著書の言葉を通して、来年またお逢いできるのを楽しみにしております。
=====================
2019年 今後の出演予定
●8月28日(水)18:30 芸術と憲法を考える連続講座vol.20『花ばぁば』
東京藝大音楽学部5-109教室(入場無料)「花ばぁば」朗読
講演:田島征三、浜田桂子、「花ばぁば」朗読:金子あい
●9月8日(日)喜多流粟谷明生一門の会「明生会」(入場無料)
●9月14日(土)14:00 川口リリア ピアノサロン第2回「哀しみのショパン」
演奏:宮谷理香、ゲスト:金子あい
ショパンの心情を、演奏に加えて彼自身の言葉でも味わっていただきます。舞台俳優×
ピアニストの真剣勝負、これまでにないステージにご期待ください。
https://www.lilia.or.jp/event/1723
●9月29日(日)11:00/13:30 倉敷美観地区 語らい座大原本邸で
『源氏物語』とお香を楽しむ一日
問・申)八重むぐらの会 yae8mugura@gmail.com 080-1925-2294
●10月5日(土)18:00 第7回 鎌倉古民家で聴く平家物語 〜知盛〜
祇園精舎・坂落・知章最後・壇浦合戦・先帝身投
語り:金子あい、尺八•笛:設楽瞬山
●10月14日(月)14:00/18:00 日本寺 金子あいひとり語り 山本周五郎「人情裏長屋」
千葉県香取郡多古町南中1820 TEL:0479-76-3745
●11月1日(金)11:30/16:00 紫式部ひとり語り「気ままに『源氏物語』2 紫のゆかり
倉敷市芸文館アイシアター
語り:金子あい、箏:大月邦弘
●11月19日(火)19:00
武蔵野公会堂ホール
フクシマを思う28「福島第一原発 廃炉の記録」
●12月8日(日)14:00
平家物語朗読教室 第6回発表会
武蔵野スイングホール
●12月14日(土)
佐倉市志津図書館 講座
2020年
●1月23日(木)
千葉氏生涯学習センター講座
●2月28日(金)
成田スカイタウンホール
「六道御前」