久々の投稿です。
フェイスブックに日々の徒然を書くようになって、こちらのブログの投稿がめっきり減ってしまいました。
先週の名古屋ロケで、わ〜い今年は仕事納めだあ!と油断していたら、細々と入稿しなければいけない仕事もあり、暖炉の火が落ちかかっているような、なんとも中途半端な毎日を送っています。
このタイトルは、10月の平家物語第4回公演で上演した、平清盛が奈良の衆徒を攻め寺々を焼失させた「奈良炎上」最期の部分に出てくる言葉です。驕り高ぶった清盛の悪行を作者は「あさまし」「かなし」といい、こう締めくくっています。
「あさましかりつる年も暮れ、治承も5年になりにけり。」
平成24年もこの国はあさましかりつる年でした。。。
来年はどうなることやら。。。
個人的には、息もつかず、この3年やってきたことが徐々に広がりを見せ始めました。
慌てずに力をためながら進んでいこうと思っています。
まだまだやりたいことはたくさんあります。
新しい出会いもたくさんありました。応援して下さる仲間も増えました。かけがえのない宝物です。
年末年始は「断捨離」して充電したいです(涙)。
どうやってやろう…どこから手を付けていいのかわからないくらい整理できなくなっていております。。。。これって頭の中の状態と同じなんですってね。
要る要らないをすぱっと決められないのはかなりストレス。
のんびり温泉に行きたいなあ〜〜〜。
木造の家に住みたいなあ〜〜。
もっと土の匂いのする森の中に住みたいなあ〜。
と思う今日この頃であります。
皆様、よいお年をお迎えください。
2013年12月22日日曜日
2013年11月1日金曜日
フクシマを思う10「発信者の時代 一人一人のメッセージが社会を変える〜福島再興のための発信戦略〜」
さて!吉祥寺光専寺で、毎回様々なゲストをお呼びし学び感じる恒例のチャリティライブイベント「フクシマを思う」第10回が、いよいよ来月に迫ってきました。
すでに多くのご予約を頂いておりますが、まだ残席ございますので、ぜひ皆様お誘い合わせの上お越しください!
今回のトークゲストは、元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤さん。現在8bitnewsを主宰し、これから必要になってくる、私達市民一人一人が発信する「市民ジャーナリズム」についてお話し頂きます。情報は与えられるものではなく、自分たちで発信するもの。そして社会を変えるためには??さらに、堀潤さんがテレビの現場で感じたことやLA滞在中に取材したアメリカの原発事情などもぜひ聞いてみたいですね!
日本フィルOBのチェリスト大石修さんの演奏は(もちろんご本人も!)渋くてかっこいいですよ。いつもと少し趣を変えて深秋の夕べにバッハの「無伴奏チェロ組曲」をじっくりお聴き頂きます。
そして金子あいの詩の朗読。毎回、福島原発事故をやチェルノブイリを題材にした詩の中から、今、皆さんに聴いてほしいものを選びますので、どうぞお楽しみに!
お申込は、fkomou@gmail.com まで。
お名前と人数、ご連絡先、電話番号をお書きの上お申し込み下さい。
【出演】お話し:堀 潤(ジャーナリスト)
演 奏:大石 修(チェロ)
朗 読:金子あい
【日時】11月12日(火)19:00開演 (18:30開場)
【会場】吉祥寺光専寺 本堂(武蔵野市吉祥寺本町1-10-21)
(JR中央線吉祥寺駅北口下車 徒歩8分)
【入場料】 大人2000円/大学生1000円/高校生以下無料
(全席自由)
【主催】フクシマを思う実行委員会
【問合せ・予約】電話:090-2474-7911(鎌内)
メール:fkomou@gmail.com
2013年10月20日日曜日
2013年9月3日火曜日
「平家物語」10月公演決定!
お待たせしました!
金子あいの語り&永田砂知子の波紋音による新作「平家物語」第4弾です!
古典の言葉が躍動する!分かる!美しく衝撃的な舞台!
激動の時代を生きた一人一人の物語を神秘的な波紋音の音色と共に鮮やかに語り演じます!
今回上演するのは、おなじみの「祇園精舎」の他に、源頼政の化け物退治のスペクタクル「鵼(ぬえ)」。平重衡によってはなたれた火が一夜にして奈良の伽藍を焼き尽くす「奈良炎上」。平維盛と妻子との胸に迫る別れ「維盛都落」。これを最後と壇ノ浦の合戦で戦う「能登殿最期」とバラエティ豊かなラインナップ。どうぞお楽しみに!さあ、これから公演日まで、平家物語ブログで一つ一つの章段を順次分かりやすく面白く解説していきますので、ぜひお読みになって下さい!
【日時】
10月22日(火) 19時開演
10月23日(水)14時開演 / 19時開演 ※開場は開演の30分前
【上演演目】
祇園精舎、鵼、奈良炎上、維盛都落、能登殿最期
【出演】
語り・金子あい、波紋音・永田砂知子
【会場】
座・高円寺2
杉並区高円寺北2-1-2 TEL: 03-3223-7500
http://za-koenji.jp/ JR中央線 高円寺駅 北口 徒歩5分
【料金】
大人 前売3,700円/当日4,000円/高校生以下1,000円
(全席自由)※当日券は開演1時間前より販売。
※高校生以下割引はアートユニットアイプラスのみで取扱。
※未就学児のご入場はご遠慮下さい。
【チケット取扱】
■art unit ai+(アートユニットアイプラス )
TEL: 090-6707-1253 E-mail:auaplus@gmail.com
■イープラス http://eplus.jp/(PC・携帯)
■ちけっとぽーと
TEL: 03-5561-7714(平日10:00〜18:00)
http://www.ticketport.co.jp/
渋谷店(SHIBUYA109 2F)池袋店(池袋パルコ6F)
銀座店(銀座ファイブ1F)東京店(大丸東京11F)
新宿店(伊勢丹会館B1F)吉祥寺店(アトレ吉祥寺B1F)
横浜店(横浜駅東口ポルタ)大宮店(ソニックシティホール)
【お問合せ】
■art unit ai+(アートユニットアイプラス )
TEL: 090-6707-1253 E-mail:auaplus@gmail.com
【スタッフ】
構成・演出:金子あい 音楽:永田砂知子 美術:トクマスヒロミ 照明:横原由祐 音響:黒沢靖博 舞台監督:寅川英司+鴉屋
衣装:細田ひなこ 宣伝美術:aikaneko 協力:永田倶楽部
後援:杉並区 企画・制作: art unit ai+(アートユニットアイプラス)
2013年7月20日土曜日
「アリスの吹奏楽コンサート」本日開幕!舞台写真公開
日生きっずぺーじのアルバムに
舞台写真が公開されました!facebookに登録していなくてもご覧いただけます。
出演者一同ノリノリで楽しんでいます♪
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.206482979476176.1073741825.110970492360759&type=1&l=5e03c89cca
舞台写真が公開されました!facebookに登録していなくてもご覧いただけます。
出演者一同ノリノリで楽しんでいます♪
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.206482979476176.1073741825.110970492360759&type=1&l=5e03c89cca
2013年7月18日木曜日
7/20、21。今年も日生劇場「アリスの吹奏楽コンサート」!
梅雨明けからの異常な暑さから一転、ここ数日の過ごしやすさに身体が戸惑っている今日この頃、皆様いかがお過ごしですか。
さてさて!
昨年に引き続き、ハートの女王役で出演する日生劇場ファミリーフェスティヴァル「アリスの吹奏楽コンサート〜世界の太鼓を打ち鳴らせ〜」が、いよいよ今週末に迫ってきました。今年は吹奏楽団のシエナ・ウインド・オーケストラが素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
キュートなアリスは、ちょっと可笑しいウサギさんと一緒に子どもたち心をがっちり掴んで今年も舞台所狭しと駆け回ります!そして、わたくしハートの女王も子どもたちのハートをわし掴み(笑)。おーほほほ。毎年変わるアリスの冒険物語、今年は世界中の珍しい太鼓を探す旅です。不思議の国では日照りでカラカラ。女王は雨乞いのためにウサギに世界中の珍しい太鼓を集めてくるように言いつけます。ひょんな事からアリスもそれに付き合うことに。怪しい商人ジョーカーと指揮者チェシャネコも加わり、2人はどんな太鼓を集めてくるのでしょう??シエナのオギハラさんも迷子?になって大活躍。パーカッションがとってもワクワクかっこいいのです!鵜木絵里さんの歌にうっとり!
演奏曲目は…
バーナムとベイリーのお気に入り (キング)
アフリカン・シンフォニー (マッコイ)
ブラジル (バロッソ)
春の猟犬 (リード)
交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 (R.シュトラウス) ※冒頭のみ
オペラ「ホフマン物語」より生垣に小鳥たちが (オッフェンバック)
オペラ「ルサルカ」より月に寄せる歌 (ドヴォルザーク)
オペレッタ「こうもり」よりシャンパンの歌 (J.シュトラウスⅡ)
「リトル・マーメイド」よりアンダー・ザ・シー (メンケン)
イエロー・サブマリン (J.レノン、P.マッカートニー)
昔、吹奏楽やってた人にはたまりません!
幼稚園のお子さんから中学生まで、お話も音楽も楽しめる素晴らしいコンサートです。
夏休み最初の土日、どこへ行こうかなあと思案中の皆さん、子どもがいるからなかなかコンサートに行けないわというパパとママ、ぜひ親子で日生劇場へお出かけ下さい!残席若干あるようです。
…あ、女王マニアの方もぜひどうぞ(笑)!
公演概要
http://www.nissaytheatre.or.jp/program/2013/01/program-627.html
アリスのお稽古日記
http://www.nissaytheatre.or.jp/kids/news/cat14/cat26/cat97/
*******
「 アリスの吹奏楽コンサート~世界の太鼓をうち鳴らせ~」
上演時間約2時間(休憩含む)
【出演】
松沼 俊彦(指揮/チェシャネコ)
鵜木 絵里(アリス/ソプラノ)
小関 明久(ウサギ)
那俄性 哲(ジョーカー)
金子 あい(ハートの女王)
シエナ・ウインド・オーケストラ(演奏)
推奨年齢 4才~小・中学生
【チケット料金】
S席:大人4,000円 子ども2,000円
A席:大人3,000円 子ども1,500円
※子ども料金は中学3年生以下が対象となります。
【お問い合わせ】
日生劇場 03-3503-3111(10:00~18:00)
さてさて!
昨年に引き続き、ハートの女王役で出演する日生劇場ファミリーフェスティヴァル「アリスの吹奏楽コンサート〜世界の太鼓を打ち鳴らせ〜」が、いよいよ今週末に迫ってきました。今年は吹奏楽団のシエナ・ウインド・オーケストラが素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
舞台袖から見た舞台。譜面用のライトがキラキラしてます |
女王様の衣装デス! |
そしてもう一役はフ●ミ●ゴ。衣装がめっちゃかわいいのデス。 |
キュートなアリスは、ちょっと可笑しいウサギさんと一緒に子どもたち心をがっちり掴んで今年も舞台所狭しと駆け回ります!そして、わたくしハートの女王も子どもたちのハートをわし掴み(笑)。おーほほほ。毎年変わるアリスの冒険物語、今年は世界中の珍しい太鼓を探す旅です。不思議の国では日照りでカラカラ。女王は雨乞いのためにウサギに世界中の珍しい太鼓を集めてくるように言いつけます。ひょんな事からアリスもそれに付き合うことに。怪しい商人ジョーカーと指揮者チェシャネコも加わり、2人はどんな太鼓を集めてくるのでしょう??シエナのオギハラさんも迷子?になって大活躍。パーカッションがとってもワクワクかっこいいのです!鵜木絵里さんの歌にうっとり!
演奏曲目は…
バーナムとベイリーのお気に入り (キング)
アフリカン・シンフォニー (マッコイ)
ブラジル (バロッソ)
春の猟犬 (リード)
交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 (R.シュトラウス) ※冒頭のみ
オペラ「ホフマン物語」より生垣に小鳥たちが (オッフェンバック)
オペラ「ルサルカ」より月に寄せる歌 (ドヴォルザーク)
オペレッタ「こうもり」よりシャンパンの歌 (J.シュトラウスⅡ)
「リトル・マーメイド」よりアンダー・ザ・シー (メンケン)
イエロー・サブマリン (J.レノン、P.マッカートニー)
などなど!
昔、吹奏楽やってた人にはたまりません!
幼稚園のお子さんから中学生まで、お話も音楽も楽しめる素晴らしいコンサートです。
夏休み最初の土日、どこへ行こうかなあと思案中の皆さん、子どもがいるからなかなかコンサートに行けないわというパパとママ、ぜひ親子で日生劇場へお出かけ下さい!残席若干あるようです。
…あ、女王マニアの方もぜひどうぞ(笑)!
公演概要
http://www.nissaytheatre.or.jp/program/2013/01/program-627.html
アリスのお稽古日記
http://www.nissaytheatre.or.jp/kids/news/cat14/cat26/cat97/
*******
「 アリスの吹奏楽コンサート~世界の太鼓をうち鳴らせ~」
【公演日時】
2013年7月20日(土)・21日(日)
各日11:00/15:00開演
上演時間約2時間(休憩含む)
【出演】
松沼 俊彦(指揮/チェシャネコ)
鵜木 絵里(アリス/ソプラノ)
小関 明久(ウサギ)
那俄性 哲(ジョーカー)
金子 あい(ハートの女王)
シエナ・ウインド・オーケストラ(演奏)
推奨年齢 4才~小・中学生
【チケット料金】
S席:大人4,000円 子ども2,000円
A席:大人3,000円 子ども1,500円
※子ども料金は中学3年生以下が対象となります。
【お問い合わせ】
日生劇場 03-3503-3111(10:00~18:00)
2013年6月25日火曜日
舞台写真満載!「いさかい」公演を終えて!
容赦なく時間は過ぎて、いさかいの公演が終わってから一週間以上が経ちました。
私は今もまだ、地上から60センチくらい浮遊したままです。許されるならこのままあっちへ行ってしまいたいです。(笑)
今回の公演を終えて、美術家のトクマスヒロミが自身のブログに書いているのをまずはお読み下さい。彼女の軽快な文章から私たちの勢いが感じ取っていただけると思います。
http://to-ku-3.jugem.jp/?day=20130617
さて、何から書けばいいかしら、あまりにたくさんのことが私に起こって、どこから手をつけて良いのか分かりません。
今回の「いさかい」という作品は振り返ってみると、本当に、私たちのユニットとって他のどこにもない特別な作品になったと感じています。
「いさかい」を一人芝居にしたのは(たぶん)本邦初なのではないかと思います。
このユニットは、これまで「平家物語」という作品で、私のいわば「一人芸」と永田砂知子の波紋音とトクマスヒロミの美術空間と横原由祐の照明世界を掛け合わせて、作品を作ってきましたので、いさかいも普通の芝居ではない、私たちのやり方で新しいカテゴリーの作品を作りたいと思っていました。それがまあ、この無謀な計画となったのです。
「う〜ん、たぶん〜〜できるような気がする〜」というかなりいい加減な予感を頼りに、私は10人以上登場する原作台本を、一人芝居用にテキスト・レジ(上演条件に合わせ台本に手直しを加えること)をし始めました。こんなにがっつり戯曲をテキ・レジしたのは私にとって生まれて初めてです。メンバーははたして上手くできるの?という一抹の不安を感じつつも「いいだしっぺはあなたです」という突き放した温かい眼で見守ってくれていました(笑)。ありがとう。
井村順一氏の翻訳台本を読み込み、登場人物の関係を上手く抽出しながら一人芝居に仕立てていく作業は、いったん編み上がった模様入りのセーターをほどいて編み直すようなものでした。色糸がこんがらがってしまわないように丁寧にほどき、元の模様を「まさにそう!それよ!」と感じられるように編み直す。脳内腱鞘炎になりそうでした(笑)。
台本は本番直前まで検討を重ねました。慣れないフランス語原文もあたって、辞書を片手に自分なりに訳し直した箇所もあります。しまいにはフランス語がしゃべれるような錯覚に陥りました(笑)。稽古の度にメンバーに「どう?わかる?ねえねえ、おもしろい???」と聞きまくり、それぞれの率直な意見を参考になんとか一人芝居用台本が完成!
さて、いよいよ最初の稽古で立ってみると、「平家の語りと違って、自由にやればいい」という予想とは裏腹に、自由に適当にやっても何も見えてこないという大前提に気づいてしまって一同焦りまくり。かなり演出、動きなどをきっちり決め込んでいきました。とはいえ、語りではなく芝居なので私自身がどれだけ自分で自由になれるかという点も重要!しかも今回は両側からお客様から見られる舞台。きゃー!
このユニットは普段ならお互いタッチしないところまで踏み込んで、物作りができる希少な場です。今更ながら今回の稽古と本番を通じて、本当に私は三度の飯より芝居を作る事が好きなんだなあと思いました。
さて、舞台の模様を再現してみましょう!
この「いさかい」は、18世紀の王侯貴族が、“恋愛においてはじめに不実を働くのは男と女のどちらか?”を確かめるために、生まれたばかりの男女4人の子どもを誰にも合わせないように監禁して育て、19年後の今日はじめて自分以外の異性と同性に会わせて何が起こるかを見るという、本当だったらかなり人権を無視したお話です(笑)。
今回は演技エリアはセンターに配置し、両側からお客様に実験を見ていただくような舞台空間にしました。この橋がかりのような細長いシンプルな舞台!真ん中にエグレが自分の顔をはじめてみる小川があります。
カフェという会場を最大限魅力的に使おう、というのが私達のコンセプトでした。永田さんのピアノが響く中、横原くんの絶妙な明かりが、日常のカフェ空間から非日常の18世紀の芝居の世界へ誘います。
最初に登場する王子とエルミアーヌを、初日はリーディングの形式で差別化しようと思ったのですが、つかみとして硬くてつまらんという意見もあり、2日目からは客席に座ったりグラスを持たせたりしてお客様を巻き込む演出に変えていきました。
物語は4人の19歳の男女の中で、エグレという女の子の目を通して進んでいきます。監禁状態からはじめて外の世界に出て、小川に映る自分の顔を見たエグレ、その美しさにすっかり夢中になり大はしゃぎです。(恥ずかし気もなく自分の顔を「美しくて魅力的!」言っちゃうところがすごい!)
エグレが立ち去ると今度は、アディーヌの恋人(といっても、実験が始まったさっき会ったばかり!)メスランが登場します。このメスランくんちょっと素朴な中学生みたいないいヤツなんです。自分の恋人アディーヌがエグレというおそろしく不格好な人(←アディーヌに吹き込まれた)に「美しくない」と罵られたと聞くと、こっぴどくやっつけてやろうとエグレ探しに出掛けます。
ところがそこに現れたのが男の子のアゾール。メスランは「君を見ていると元気になる。君と食事をしたら愉快だろうなあ!!」と初めての出会った男同士の友情にすっかり大興奮!飛び跳ねちゃったりして(笑)。男の子って18世紀から単純でかわいいのね…。
そこへエグレが現れます。メスランは予想外のエグレの美しさにすっかり参ってしまいます。エグレも2人目の「男性」(エグレはまだメスランの名前を知らない)を見て、アゾールにはない「新しい魅力」を感じ、一目見るなり自分のそばにいるように誘い(本能って恐ろしい!!)、それに嫉妬するアゾールに向こうへ行くよう冷たく促します。 しかし、アゾールはメスランを連れて行ってしまいました。そのことが気に入らないエグレ。
そこへやってきた2人目の男性(=メスラン)の愛を確かめると、一応「アゾールがいるからあなたを愛さないでおきたいわ〜」なんて言ってみるのですが、その彼がアディーヌの恋人メスランと分かった途端、一転、エグレは獲物を捕らえる野獣のごとく彼を自分のものにします。高らかなエグレの勝利宣言!
いかがでしたでしょうか?作品の雰囲気少しは伝わりました?
鳥かご照明と衣装については前掲のトクマスブログをご参照下さいね!
この芝居は、王子とエルミアーヌ、エグレとアゾールとアディーヌとメスラン、エグレと世話係カリーズ、エグレの心の中…いくつもの「いさかい」が絡み合っています。作者マリヴォーは男性の視点で本当によく女性の生態を観察しています。気の多い女性を批判しているようでいて男性のことも同じように茶化しているところが、時代を超えた面白さなのかもしれません。マリヴォーは「女ってさあ」と言いながら、女性の無邪気な気の多さに振り回されつつ、それでもやっぱり惹かれてしまっていたのかもしれません。マリヴォーの描く女性について一番鋭い分析をしていたのが、何を隠そう黒一点の照明横原くん。姉さん達3人が「なんだこの女?」とブーイングしている中で、やっぱり女というものがよく見えているんでしょうね(笑)。そして、世間で「男前」と評判の高い?私はこれまた何を隠そうこんなにきゃわゆい女の子らしい役は生まれて初めてでございました。たぶん実生活でもこんなに可愛かったことはありません。(これを可愛いというならばね!)はい、すみません。
永田さんにはできる限り「とぼけた」音をお願いしました。今回はいつもの波紋音はなし。ピアノと様々な打楽器を駆使して音を作って下さいました。永田さんの存在と音が登場人物と離れているほど、彼らのやりとりが滑稽に見えてきます。普段、芝居とほとんど共演しない永田さんの感想が最高におかしかったです。「5回もやって飽きると思ってましたが、毎回芝居が違って飽きませんでした〜」。永田さんが途中で飽きなくて何よりですっ!ありがとうござます!
そう、毎回芝居を変えました。自分の中で少しでも不明瞭なところはお客様の反応を見ながら、毎回メンバーと一緒に変えていきました。当初わたくし、エグレの「恋」というものを噛みしめちゃってたんですが、恋って何回か経験しないと噛みしめないんじゃね?と思い直し、異様なはしゃぎッぷりにシフト。アゾールとのいちゃいちゃもしっかり増やし、なのにアゾールに嫉妬された途端に彼を憎む。そんなところが本番を通してよりはっきり見えてきました。5回目の最終回は、作品の背骨が一本きちんと通ったような気がします。お客様も大受け、どかどか笑いが飛び出し、私も私自身ではなくそれぞれの「役」として舞台で驚くほど勝手気ままに生きていました。そこに到達できたことが役者としては本当に今回の公演をやった甲斐がありました。あああ、いっそ、チケットを回数券にして皆さんに何回も見ていただきたかったですぅ〜!(そんなに暇じゃないって?)
役者と作品に寄り添って美しい明かりを作ってくれた横原由祐に感謝します。
そして、ものすごくシンプルで逃げ場のない美しい舞台空間をデザインしてくれた(その上、この作品を薦めてくれた)トクマスヒロミに拍手を贈ります。あの空間がなければ、作品がここまで成長しなかったと思います。
そして、なんと言っても、お忙しい中ご来場下さった皆様に心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。また、どうぞ、私達の実験劇場をご見物にいらして下さい。
こころよりお待ちしております。
(ああ〜〜長くなっちゃってごめんなさい!)
出演
金子あい
永田砂知子
原作 マリヴォー
翻訳 井村順一
テキスト・レジ 金子あい
演出 金子あい
音楽・演奏 永田砂知子
美術 トクマスヒロミ
照明 横原由祐
ヘアメイク 氣賀澤祀夫理
協力 伊奈山明子
奥 香織
写真 NOKO
企画・製作 art unit ai+
2013.6.12~14@絵空箱
私は今もまだ、地上から60センチくらい浮遊したままです。許されるならこのままあっちへ行ってしまいたいです。(笑)
今回の公演を終えて、美術家のトクマスヒロミが自身のブログに書いているのをまずはお読み下さい。彼女の軽快な文章から私たちの勢いが感じ取っていただけると思います。
http://to-ku-3.jugem.jp/?day=20130617
さて、何から書けばいいかしら、あまりにたくさんのことが私に起こって、どこから手をつけて良いのか分かりません。
今回の「いさかい」という作品は振り返ってみると、本当に、私たちのユニットとって他のどこにもない特別な作品になったと感じています。
「いさかい」を一人芝居にしたのは(たぶん)本邦初なのではないかと思います。
このユニットは、これまで「平家物語」という作品で、私のいわば「一人芸」と永田砂知子の波紋音とトクマスヒロミの美術空間と横原由祐の照明世界を掛け合わせて、作品を作ってきましたので、いさかいも普通の芝居ではない、私たちのやり方で新しいカテゴリーの作品を作りたいと思っていました。それがまあ、この無謀な計画となったのです。
「う〜ん、たぶん〜〜できるような気がする〜」というかなりいい加減な予感を頼りに、私は10人以上登場する原作台本を、一人芝居用にテキスト・レジ(上演条件に合わせ台本に手直しを加えること)をし始めました。こんなにがっつり戯曲をテキ・レジしたのは私にとって生まれて初めてです。メンバーははたして上手くできるの?という一抹の不安を感じつつも「いいだしっぺはあなたです」という突き放した温かい眼で見守ってくれていました(笑)。ありがとう。
井村順一氏の翻訳台本を読み込み、登場人物の関係を上手く抽出しながら一人芝居に仕立てていく作業は、いったん編み上がった模様入りのセーターをほどいて編み直すようなものでした。色糸がこんがらがってしまわないように丁寧にほどき、元の模様を「まさにそう!それよ!」と感じられるように編み直す。脳内腱鞘炎になりそうでした(笑)。
台本は本番直前まで検討を重ねました。慣れないフランス語原文もあたって、辞書を片手に自分なりに訳し直した箇所もあります。しまいにはフランス語がしゃべれるような錯覚に陥りました(笑)。稽古の度にメンバーに「どう?わかる?ねえねえ、おもしろい???」と聞きまくり、それぞれの率直な意見を参考になんとか一人芝居用台本が完成!
さて、いよいよ最初の稽古で立ってみると、「平家の語りと違って、自由にやればいい」という予想とは裏腹に、自由に適当にやっても何も見えてこないという大前提に気づいてしまって一同焦りまくり。かなり演出、動きなどをきっちり決め込んでいきました。とはいえ、語りではなく芝居なので私自身がどれだけ自分で自由になれるかという点も重要!しかも今回は両側からお客様から見られる舞台。きゃー!
このユニットは普段ならお互いタッチしないところまで踏み込んで、物作りができる希少な場です。今更ながら今回の稽古と本番を通じて、本当に私は三度の飯より芝居を作る事が好きなんだなあと思いました。
さて、舞台の模様を再現してみましょう!
この「いさかい」は、18世紀の王侯貴族が、“恋愛においてはじめに不実を働くのは男と女のどちらか?”を確かめるために、生まれたばかりの男女4人の子どもを誰にも合わせないように監禁して育て、19年後の今日はじめて自分以外の異性と同性に会わせて何が起こるかを見るという、本当だったらかなり人権を無視したお話です(笑)。
今回は演技エリアはセンターに配置し、両側からお客様に実験を見ていただくような舞台空間にしました。この橋がかりのような細長いシンプルな舞台!真ん中にエグレが自分の顔をはじめてみる小川があります。
最初に登場する王子とエルミアーヌを、初日はリーディングの形式で差別化しようと思ったのですが、つかみとして硬くてつまらんという意見もあり、2日目からは客席に座ったりグラスを持たせたりしてお客様を巻き込む演出に変えていきました。
物語は4人の19歳の男女の中で、エグレという女の子の目を通して進んでいきます。監禁状態からはじめて外の世界に出て、小川に映る自分の顔を見たエグレ、その美しさにすっかり夢中になり大はしゃぎです。(恥ずかし気もなく自分の顔を「美しくて魅力的!」言っちゃうところがすごい!)
そこへアゾールという男の子が登場します。生まれて初めて見る自分と同じ人種の「男性」。エグレは一目見るなり自分と同じくらい美しいアゾールに夢中になり「ずっと愛する、いつも一緒にいる!!」と誓います。この光っているのが小川です。小川に隔てられた2つのエリアは「別の世界」の象徴にもなりました。
ところが世話係のカリーズからは、「ずっと愛し続けたいなら無関心にならないよう、時には一緒にいる喜びを捨てろ」と忠告されます。そんな事は絶対にないと言い張るエグレ。…実は黒人の世話係のカリーズ役は永田さん!でも永田さんは台詞はしゃべりません。どんなにエグレが話しかけてもクールに演奏するばかり。そのずれた存在感がなんとも味がありました。(本当は台詞を言いたくてたまらなかったらしいですが(笑)。ほら、黙って背中で演技してるでしょ?)。
カリーズに鏡をもらってお気に入りの自分の顔が映り「大発明よ!」と喜ぶエグレ。
しかしだんだん心配になってきてエグレは、アゾールに「辛い目に遭ってみよう、2時間だけ別れよう」と泣く泣く別れます。
ひとりぼっちになったエグレの前に現れたのが、高ビーなキャラのアディーヌ。2人はどちらが美しいかでお互いに口汚く罵り合います。そして腹を立てたエグレは「あんたの恋人メスランとやらを奪い取ってやる」と啖呵を切って去っていきます。さっきまで男の前で可愛かったあの姿はどこに〜〜?!女ってこわ〜〜。
ところがそこに現れたのが男の子のアゾール。メスランは「君を見ていると元気になる。君と食事をしたら愉快だろうなあ!!」と初めての出会った男同士の友情にすっかり大興奮!飛び跳ねちゃったりして(笑)。男の子って18世紀から単純でかわいいのね…。
そこへエグレが現れます。メスランは予想外のエグレの美しさにすっかり参ってしまいます。エグレも2人目の「男性」(エグレはまだメスランの名前を知らない)を見て、アゾールにはない「新しい魅力」を感じ、一目見るなり自分のそばにいるように誘い(本能って恐ろしい!!)、それに嫉妬するアゾールに向こうへ行くよう冷たく促します。 しかし、アゾールはメスランを連れて行ってしまいました。そのことが気に入らないエグレ。
1人取り残されたエグレは、カリーズに自分の中のもやもやした気持ちがなんなのか、さっぱり分からないとぶつけるうち、浮気心を責められますが、自分が悪いとは全く思いません。ビスケットぽりぽり、私はみんなに愛されるのが喜びなの!と大演説。でも、この心変わりの居心地悪さには満足していません。「自分の心は、この心変わりを良いと言ったり悪いと言ったり、いったいあたしはどっちにつけばいいの??」と悩みます。そして出した結論が「好都合な方を選ぶしかないわ!」うわ、ポジティブ〜!
そこへやってきた2人目の男性(=メスラン)の愛を確かめると、一応「アゾールがいるからあなたを愛さないでおきたいわ〜」なんて言ってみるのですが、その彼がアディーヌの恋人メスランと分かった途端、一転、エグレは獲物を捕らえる野獣のごとく彼を自分のものにします。高らかなエグレの勝利宣言!
そこへとアゾールが姿を現します。アゾールがまだ自分を慕っていると思い込んでいるエグレは、2人の男性を自分のものにする気満々。アゾールに「メスランを愛している。あなたにはもう関心がない」と告白すると、嘆き悲しむどころか、アゾールも「そいつは素晴らしい!大いにやりたまえ、僕ももう君には関心を持たない」といなくなってしまいます。「なにそれ?どういうこと!?」と呼び戻そうとするエグレ。今度はメスランから「なんでアゾールを呼び戻すのさ?」と責められると、「なんであたしが何かを失わなきゃならないのよーっ!」と本音丸出し!世話係カリーズに笑われてぶち切れまくり!そこへ、な、な、なんとアゾールとアディーヌがカップルになって登場!「アゾール!話があるのよ」「メスラン!そっちへ行っちゃダメ!」「なんなのよー!これ?!」とついにぶっ壊れるエグレちゃん。
永田さんのピアノも壊れます!
とうとう、見ていられなくなった貴族のエルミアーヌが入ってきて、実験を止めました。
エルミアーヌは、エグレとアディーヌは女性の中でもおよそ憎むべき2人だと主張しますが、王子は「男性も女性も責められるべきではありません。悪徳も美徳も双方とも等しく持っているのですから」とこの一連の論争に終止符を打とうとします。
と・こ・ろ・が!
エルミアーヌはまたまた「あら、少しは区別して欲しいわ」と蒸し返すのです。
…「いさかい」は続くよ永遠に(笑)。
鳥かご照明と衣装については前掲のトクマスブログをご参照下さいね!
この芝居は、王子とエルミアーヌ、エグレとアゾールとアディーヌとメスラン、エグレと世話係カリーズ、エグレの心の中…いくつもの「いさかい」が絡み合っています。作者マリヴォーは男性の視点で本当によく女性の生態を観察しています。気の多い女性を批判しているようでいて男性のことも同じように茶化しているところが、時代を超えた面白さなのかもしれません。マリヴォーは「女ってさあ」と言いながら、女性の無邪気な気の多さに振り回されつつ、それでもやっぱり惹かれてしまっていたのかもしれません。マリヴォーの描く女性について一番鋭い分析をしていたのが、何を隠そう黒一点の照明横原くん。姉さん達3人が「なんだこの女?」とブーイングしている中で、やっぱり女というものがよく見えているんでしょうね(笑)。そして、世間で「男前」と評判の高い?私はこれまた何を隠そうこんなにきゃわゆい女の子らしい役は生まれて初めてでございました。たぶん実生活でもこんなに可愛かったことはありません。(これを可愛いというならばね!)はい、すみません。
頂いた感想の中でも、「イケメンじゃない方の男の子が気になりました」「見えないはずの他の役が見えました」とおっしゃっていただいたのがとても嬉しかったです。見えないものが見えるなんてもう最高です。
そして、今回相談に乗って下さったマリヴォー研究者のO女史もこの演出を大変面白がって、パリ大学提出の博士論文で私達の作品を取り上げて下さるとのこと、ブラボーです。
永田さんにはできる限り「とぼけた」音をお願いしました。今回はいつもの波紋音はなし。ピアノと様々な打楽器を駆使して音を作って下さいました。永田さんの存在と音が登場人物と離れているほど、彼らのやりとりが滑稽に見えてきます。普段、芝居とほとんど共演しない永田さんの感想が最高におかしかったです。「5回もやって飽きると思ってましたが、毎回芝居が違って飽きませんでした〜」。永田さんが途中で飽きなくて何よりですっ!ありがとうござます!
そう、毎回芝居を変えました。自分の中で少しでも不明瞭なところはお客様の反応を見ながら、毎回メンバーと一緒に変えていきました。当初わたくし、エグレの「恋」というものを噛みしめちゃってたんですが、恋って何回か経験しないと噛みしめないんじゃね?と思い直し、異様なはしゃぎッぷりにシフト。アゾールとのいちゃいちゃもしっかり増やし、なのにアゾールに嫉妬された途端に彼を憎む。そんなところが本番を通してよりはっきり見えてきました。5回目の最終回は、作品の背骨が一本きちんと通ったような気がします。お客様も大受け、どかどか笑いが飛び出し、私も私自身ではなくそれぞれの「役」として舞台で驚くほど勝手気ままに生きていました。そこに到達できたことが役者としては本当に今回の公演をやった甲斐がありました。あああ、いっそ、チケットを回数券にして皆さんに何回も見ていただきたかったですぅ〜!(そんなに暇じゃないって?)
役者と作品に寄り添って美しい明かりを作ってくれた横原由祐に感謝します。
そして、ものすごくシンプルで逃げ場のない美しい舞台空間をデザインしてくれた(その上、この作品を薦めてくれた)トクマスヒロミに拍手を贈ります。あの空間がなければ、作品がここまで成長しなかったと思います。
そして、なんと言っても、お忙しい中ご来場下さった皆様に心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。また、どうぞ、私達の実験劇場をご見物にいらして下さい。
こころよりお待ちしております。
(ああ〜〜長くなっちゃってごめんなさい!)
出演
金子あい
永田砂知子
原作 マリヴォー
翻訳 井村順一
テキスト・レジ 金子あい
演出 金子あい
音楽・演奏 永田砂知子
美術 トクマスヒロミ
照明 横原由祐
ヘアメイク 氣賀澤祀夫理
協力 伊奈山明子
奥 香織
写真 NOKO
企画・製作 art unit ai+
2013.6.12~14@絵空箱
2013年6月14日金曜日
あら!あっという間に千秋楽。
今回のいさかい公演は3日間しかないので、一昨日が初日、昨日が中日、今日が千秋楽。早っ!
昼公演と夜公演の休憩時間に、舞台の上で充電中の金子です。
ちょっとお見苦しいものが横たわっておりますがこれが今回の舞台装置です。
なんじゃこりゃ?と思われるかもしれませんね、明日、もう少しマシな写真を撮ってこようと思います。
今回の私たちの作品は、実は、この絵空箱というパフォーマンスギャラリー&カフェスペースをとても意識して作っています。
私たち4人のユニットは、性格もばらばら年齢もばらばら協調性もばらばらで、人の言うこと聞かない人たちばかりなのですが(笑)、「空間」に対する感覚が鋭いというか、空間の考えかた、作り方において不思議と意見が合うんですね。
4人でこのスペースの下見に来た時、まず第一に、このカフェという空間を生かそうと、すぐに意見が一致しました。そしてお客様が一方から見る舞台ではつまらないので、対角線上にどーんとランウェイみたいな舞台を作り四方から見てもらおうと、すぐにひらめきました。
360度観客の視線を浴びながらの芝居です。
お客さん同士も互いの顔が見える座席。
王子の行う実験をお客様も一緒に見物するのが今回のコンセプトです。
何人かのお客様に、四方から見られる感覚はどうなの?やりにくくないの?と聞かれましたが、確かに神経は使います。どっちを向いても必ず私の顔が見えない人が出てきますので、言葉と顔の表情だけでなく、背中というか全身でニュアンスを伝えるということをかなり意識しなければなりませんので、実は大忙しです(笑)。
初日は導入のシーンが少し硬かったので、2日目の昨日はお客様を巻き込もうと芝居を変えました。そして昼公演後に、どうも伝わりにくいシーンを手直しして夜公演に挑みました。何回も公演があると、本番の緊張感の中で、いろいろと変えていけるのがやっぱりいいですね。その反面、くり返し演じていると、芝居がこなれてしまってかえって面白くなくなることもあるので、難しいところです。
終演後にスタッフとディスカッションする中で、昨夜もまた発見がありましたので、今日の公演で試してみたいと思います。毎回、私自身はものすごい緊張感で息つく暇もない芝居ですが、登場人物達が、もう、どれもこれもとんでもなく自己チューで、何度見てもあきれて笑いがこみ上げてくると毎日見ているスタッフが言ってました。
これって、スルメみたいな芝居だよね〜〜と。
本日のスルメ芝居、マリヴォー「いさかい」、いよいよ残りあと2回です。
芝居が終わってしまう日の朝は、寂しくていやです。
空間にも、作品にも、そこで生きてる役にも、メンバーとのつかの間の共同作業にも、お別れしなければならない…寂しいです。
本番は戦場のようですが、しばしおセンチになる金子でした。
では、後ほど、劇場でお会いしましょう!
2013年6月12日水曜日
感じて、伝える。いざ、初日!
出掛ける前なので、乱文お許し下さい。
いよいよ、小屋入り、本日初日です。
小さなカフェスペースですから、劇場とはちょっと感覚が異なりますが、3日間公演公演しますのでなんだかやっぱりとても嬉しいです。
朝から照明・舞台を仕込み、リハーサルをして今夕幕が開きます。幕はないけど。(笑)
これほど早く幕が開いて欲しいと胸躍り、かつ、失敗したらどうしようと心臓に悪い日もないです。
緊張と喜びとが1分ごとに入れ替わり、まったく、くたびれます(笑)。
さて、ねんのためご説明しますと、「いさかい」はチラシの写真に写っている2人の中年女性が言い争う話ではありません。
19歳のかわいい?女の子たちの話です。(演る人の年齢はこの際考えないでください!!)
ちょっと話は変わりますが、先日、中学の先生から聞いたお話です。まだしっかりと文章力を身につけていない子どもたちが、TwitterやLINEなどの文章とは言えない短いことばのやりとりするのはとても危険だと。つまり、自分の気持ちを伝えるのみならず、相手の気持ちを読み取る力が育たないという話を聞きました。
うざい。きもい。でしか表現できなければ、伝わるものも伝わらないだろうなと思います。
「いさかい」の登場人物は、今の子どもたちにいわせれば、間違いなく全員「うざい」です。登場人物たちは一生懸命言葉を探して自分の思いを伝えようとしています。それは時に、いや、かなり自己チューだとしても。フランス的だとしても。
溢れる言葉と格闘しながら、私は、登場人物たちが自分の中に育って来ていることを感じ、ドキドキと(決して毛など生えていない)小さな心臓をふるわせながら、絵空箱に向かおうと思います。。(そこのあなた、笑った?)
さあ、3日間5回公演ありますので、どうぞ観にいらして下さい!
詳細はこれより前の投稿をご参照下さい!
では、行ってきます!!
2013年6月8日土曜日
初恋はいつだったか。
むむむ〜〜〜〜。思い出せない。小学校の高学年の頃、気にならないと言えば嘘になる、そんな男の子が一人いました。ほのかな恋心といえばそうだったかもしれません。当時の私は、色が黒くて痩せてて、短髪で半ズボン。男の子より男の子っぽかったので、よく遊ぶ仲間は女の子より男の子の方が多かったです。そのころはゲーム機なんてありませんからね、もっぱら公園や空き地で鬼ごっこや缶蹴りやタイヤ当てなど、とっくみあいのようにじゃれあって遊んでいる時、ふと、男の子に触れると、なんだか不思議な気持ちがしたのを思い出しました。
作品の中で、エグレという女の子が登場します。誰にも会わずに育てられた4人の子どものうちの一人です。原作では4人は同じくらい登場しますが、今回はこのエグレを中心に台本を構成しています。
エグレははじめてアゾールという男の子に会った時、「じぶんでもよくわからない、上手く言えない」気持ちになると言っています。
この4人は一応成人しているので、小学校高学年とは違うだろうけど、でも、おんなじかもしれないなあ、なんて思いながら一人稽古しています。
何しろ、そんな初々しい頃の事なんて忘れちゃったし(笑)。
実際に私が演じるおもな人物の名前をちょっとご紹介しましょう。
舞台はフランスの田舎。
最初に登場するのは、貴族の娘エルミアーヌと王子。
なにやら、昨夜の宮廷での議論を引きずり、この場所にやってきます。エルミアーヌは持論が正しいと一歩も引きません。
そして、目の前に繰り広げられる「実験」。
ここで、4人の子どもたちが登場します。19歳ですが、社会と離れて大きくなったので、大人と子どもが混ざったような感じでしょうか?
まず現れるのは女の子のエグレ。
今回はもっぱらこのエグレを中心に物語を描きました。
エグレが最初に出会う男の子がアゾール。
そして、もう一人の女の子アディーヌが現れます。
最後に登場するのがもう一人の男の子メスラン。
さあ、この4人がどのようなやりとりをするのかは、書いたらネタバレなので、ひみつ。当日のお楽しみです。
このそれぞれのキャラクターが可愛いと思うか可愛くないと思うか。リハを見ながら、はははと笑うトクマスさん永田さんの横で、照明の横原氏は「こういう女いるんだよなあ…」とぼそりとつぶやいていましたけど(彼にはたして何かあったかは聞かないことにして(笑))、男性と女性でもこの物語の感じ方は違うかもしれませんね。皆さんはどうご覧になるでしょうか!?
彼らがそれぞれに出会う手助けをしたり諭したりするのが、彼らの養育係、黒人のメスルー(男)とその妹のカリーズです。彼らは4人の子どもたちの会話を通して登場します。
さあ、皆さんの心の奥にしまわれた懐かしい初々しい気持ちを、引っ張り出してご覧頂ければと思います
うふふふ。
<公演詳細>
art unit ai+ 実験公演
マリヴォー「いさかい」
La dispute de Marivaux
【原作】マリヴォー【構成・演出・出演】金子あい【音楽・演奏】永田砂知子
【美術】 トクマスヒロミ 【照明】横原由祐
【日時】
2013年(全5回公演、開場は開演の30分前)
6月12日(水) 19:30開演
6月13日(木) 14:00開演/19:30開演
6月14日(金) 14:00開演/19:30開演
【会場】
Performing Gallery & Cafe 絵空箱 http://esorabako.com/
(地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅1番出口徒歩2分)
新宿区山吹町361誠志堂ビル1階
【料金】
前売 2,800円/当日 3,300円/学生・研究生2,300円
(一名につき料金+1ドリンク700円オーダーが必要です。 全席自由)
【主催】art unit ai+
【ご予約・お問合せ】
art unit ai+ (アートユニットアイプラス)
tel:090-6707-1253
e-mail:auaplus@gmail.com
2013年6月7日金曜日
紅屋のおたか
で、その日の写真をちょっとご披露。カツラ久々でしたが、好きなんですよ。カツラありの和物(笑)。またやりたい〜〜。とても楽しかった!
とのんきに言っている場合じゃない〜〜、いさかい、いさかい。
2013年6月5日水曜日
音をみつける
もちろん私は演奏するわけではありませんから、音を見つける作業中は人生の大先輩である(笑)永田さんに「あ〜〜それかなあ?」とか「違う〜!」とか好き勝手なことを言います。すると永田さんは、ちょっと困ったリスのように、たくさん並べた楽器の前をあっち、こっち動き回り弾いたり叩いたりしながら「これかな?…これは乙女チックか?…これは強いな…これはバカみたい!」などぶつぶつ独りごち、音を見つけ出してくれます。その姿があまりにかわいくてひそかな楽しみになっているのですが、それは永田さんにはナイショです。
今回は、マリヴォーの戯曲を自ら一人芝居用に構成し直しました。専門家にお願いすればもっと簡単だったかもしれませんが、何しろ、登場人物が少なくとも8人はいるので、自分でどう演じることができるのかを想定することが必要でした。四苦八苦しましたねえ。原作のエッセンスは感じて頂けるかなあと思っています。
作品のイメージのようなものは、はじめから遠く霞の向こうに見えているのですが、台本を構成している時に詳細まで摑み切れているかと言えば、全然そんな事はありません。できあがった台本をあたらめてどう形にするか、やはり順を追って考えます。
その中で、音の役割はとても大きく、作品の世界観はもちろん、台詞と音との距離感を考えることで、言葉がより聞こえてきたり、分からなくなったり、面白くなったりするのです。悲しいからといってめいいっぱい悲しい音楽がいいかと言えばそんな事ありません。永田さんと二人「ドラマの音楽作ってる人ってどうやってるんだろうね???」とか言いながらあれこれするのは大変ですが、形になってくると充実感を感じます。そして、舞台での永田さんの存在もこの作品ではとても重要な役割があります。あ、リスの役じゃないですよ(笑)。
これは先週のリハ |
一昨日のリハーサルでは、演技プランと音プランを美術家照明家に見せたところ、一応うけてたので、ひとまずホッとしました。マリヴォーのクスッと笑っちゃう面白さが出てきたらこっちのもの。がんばろっと。(笑)
「平家物語」公演から自分(達)の作品として、演出もやるようになりましたが、まだまだ、慣れない私。リハーサルでは美術家、照明家の客観的な意見が本当に力強いです。自分で自分にむちゃ振りして、いつも途方に暮れている私ですが、「このチームだからこそ普通のスタンスのお芝居じゃないものを」と難しくてあたたかい励ましを美術家と照明家にかけられつつ、四人が専門分野を超えて、わいわいがやがやの作品づくりです。お楽しみに!
毎回終演後は、メンバーも会場でくつろぎますので、楽しくお話しなどできればと思っています。どうぞごゆっくり楽しんでいってください
********
<公演詳細>
art unit ai+ 実験公演
マリヴォー「いさかい」
La dispute de Marivaux
【原作】マリヴォー【構成・演出・出演】金子あい【音楽・演奏】永田砂知子
【美術】 トクマスヒロミ 【照明】横原由祐
【日時】
2013年(全5回公演、開場は開演の30分前)
6月12日(水) 19:30開演
6月13日(木) 14:00開演/19:30開演
6月14日(金) 14:00開演/19:30開演
【会場】
Performing Gallery & Cafe 絵空箱 http://esorabako.com/
(地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅1番出口徒歩2分)
新宿区山吹町361誠志堂ビル1階
【料金】
前売 2,800円/当日 3,300円/学生・研究生2,300円
(一名につき料金+1ドリンク700円オーダーが必要です。 全席自由)
【主催】art unit ai+
【ご予約・お問合せ】
art unit ai+ (アートユニットアイプラス)
tel:090-6707-1253
e-mail:auaplus@gmail.com
2013年6月2日日曜日
自分の顔、好きですか?
きれいなお姉さんは好きですか?
と、年頃の少年があこがれをもって言うCMがありました。
イケメンは免疫力が高いという研究結果を先日ネットで読みました。その実験では女性に関しては可愛くても可愛くなくても免疫力に差は出なかったそうです。じゃ、きれいなお姉さんじゃなくてもいいじゃん。
しかし、人間はきれいなものが好きです。
マリヴォーの「いさかい」は、戯曲を深く掘り下げなくても、ただ読むだけでとても面白いのですが、何度も読んでいて、気づいたことがあります。
<公演詳細>
art unit ai+ 実験公演
マリヴォー「いさかい」
La dispute de Marivaux
【原作】マリヴォー【構成・演出・出演】金子あい【音楽・演奏】永田砂知子
【美術】 トクマスヒロミ 【照明】横原由祐
【日時】
2013年(全5回公演、開場は開演の30分前)
6月12日(水) 19:30開演
6月13日(木) 14:00開演/19:30開演
6月14日(金) 14:00開演/19:30開演
【会場】
Performing Gallery & Cafe 絵空箱 http://esorabako.com/
(地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅1番出口徒歩2分)
新宿区山吹町361誠志堂ビル1階
【料金】
前売 2,800円/当日 3,300円/学生・研究生2,300円
(一名につき料金+1ドリンク700円オーダーが必要です。 全席自由)
【主催】art unit ai+
【ご予約・お問合せ】
art unit ai+ (アートユニットアイプラス)
tel:090-6707-1253
e-mail:auaplus@gmail.com
19年間隔離され、他の人間を知らないで育った子ども達は、自分の顔を見たことがないようなのです。言葉も食事もある程度の文化的教育も受けているのですが、彼女らの育った部屋には鏡はなく、ガラスに映る自分の顔すら、どうも見たことがないようなのです。実験は徹底してますね。すごい。だから、はじめてみる自分の顔にエグレという女の子は驚きます。驚いたあとの反応が彼女らしいのですが、これは当日のお楽しみ。マリヴォーから見ると女性はこのように見えたのでしょうかねえ。
そして、もうひとつ、原文のフランス語や英訳では表現されていて、日本語訳では十分表現しきれない要素があります。彼女たちが、「他人」にはじめて会う時に、初めのうち「人称」がめちゃくちゃなのです。「あなた」「彼」「彼女」「それ」「人間」「人」の使い方がすごく変なのです。これは自分以外の人や性別の認識に慣れていない、人称代名詞をどうやって使っていいのか分からないといった感じが表されているのだと思います。人の関係性って社会的なものなんだなぁと今更ながら思ってしまったりして。実は私自身このことをものすごく面白いと思ったのですが、その変さを日本語に上手く訳せないということと、私が一人で演じるので人称代名詞をごちゃごちゃにしてしまうと、全てがちんぷんかんぷんで分からなくなるので、これはあきらめてひねりすぎないようにしました。
マリヴォーの作品は一般的に、恋愛心理の機微を細やかに描写した、独特の言い回しや文体に特徴があり、これらをマリヴォダージュと呼んでいます。格調高いと言うよりは社交界の日常語に近かったようで、「いさかい」で最初と最後に現れる貴族達の会話は、きっとそのようなものだったのでしょう。
「いさかい」=論争、はこの物語のあらゆるところで起きます。他人同士のみならず、自分の中でもいさかいは起きています。
その様子が興味深いのです。
それにしても、10人も出てくる芝居は、基本的には10人の出演者でやるべきですね(笑)。その方がうんと楽。一人でやるのは無謀(笑)。
しかし、そこに山がある限り、うっかり登ってしまいたくなるのです。
私を通して相手の登場人物が見えたら嬉しいなあと思います。
さて、会場の絵空箱は、カフェを併設。芝居中も飲食して頂きながらご覧いただけます。終演後は、私たち4人も毎日飲もう〜と言っていますので、お時間のある方はぜひ残っていただき、いろいろなお話ができればと思っています。
美味しいお酒が飲めますように、頑張ります。
ぜひ、お気軽に「ご見物」にいらして下さい。
<公演詳細>
art unit ai+ 実験公演
マリヴォー「いさかい」
La dispute de Marivaux
【原作】マリヴォー【構成・演出・出演】金子あい【音楽・演奏】永田砂知子
【美術】 トクマスヒロミ 【照明】横原由祐
【日時】
2013年(全5回公演、開場は開演の30分前)
6月12日(水) 19:30開演
6月13日(木) 14:00開演/19:30開演
6月14日(金) 14:00開演/19:30開演
【会場】
Performing Gallery & Cafe 絵空箱 http://esorabako.com/
(地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅1番出口徒歩2分)
新宿区山吹町361誠志堂ビル1階
【料金】
前売 2,800円/当日 3,300円/学生・研究生2,300円
(一名につき料金+1ドリンク700円オーダーが必要です。 全席自由)
【主催】art unit ai+
【ご予約・お問合せ】
art unit ai+ (アートユニットアイプラス)
tel:090-6707-1253
e-mail:auaplus@gmail.com
2013年5月26日日曜日
男と女、はじめに浮気をするのはどーっちだ?
古典文学の場合は、現代語でのあらすじ解説も含め、わりとじゃんじゃんブログに書けるのですが、今回はフランスものとはいえ、現代日本語訳されてますし、内容は至ってシンプルなので、なんだかネタばらしになってはまずいし〜〜とそろりそろりと様子をうかがってしまいますね。
先だって、マリヴォー研究をされている奥香織氏にお目にかかって、マリヴォーの時代や「いさかい」の背景について伺ったのがとても深くて、戯曲の文字だけを読んでも分からなかったことにいちいち感心してしまいました。現代的〜と思ったことが実は18世紀ならではの試みだったりして。いろいろお伝えしたいことがいっぱいです。でも、それはひとまずおいておくとして、
今日のお題は「男と女はじめに浮気をするのはどーっちだ?」。
はい、そこのあなた…「男。」
はい、そうかもしれません。
はい、そちらのかた…「女。」
うん、やっぱりね。
はい、向こうの方…「どっちも。」
そりゃそうだ。
石田純一さんは以前「浮気は文化だ」とおっしゃってましたね。あ、不倫でしたっけ。
上野千鶴子さんは以前「遺伝子の乗り物としてオスはあちこちばらまくようにできてる」とお書きになってましたね。旧憲法では姦通罪がありましたが、光源氏はお気に召すままでした。え〜〜〜〜〜それ以上はわたしには分かりません(笑)。
この戯曲「いさかい」の中では、貴族がそれを実験で確かめよう!と思い立って、20年がかりで男女の子ども達4人を誰にも会わせず育てて、今日はじめて会わせる様子を観察するのです。おおかがりですねぇ。さすが貴族(会ったことないけど)。
ところで…
20年近く、養育係の黒人2人以外は知らずの育つって、ど、どうなんでしょ?
この戯曲は、長らくイタリア人劇団に多くの作品を提供してきたマリヴォーが、フランス人劇団に向けて書いたもので、本読みの段階では俳優に好意的に受け入れられたものの、初演1回の上演で忘れ去られたそう…。俳優の力量に寄るところが大きかったらしいです。
げーっ!!(…なんてものを選んでしまったのか!う〜〜…だっておもしろかったんですもの)
その後1973年にパトリス・シェローの演出で脚光を浴び、今ではマリヴォー劇の中でもっとも上演される作品となっています。
いま、ものすごく現代的に感じるということは、当時はものすごく前衛的だったのではないでしょうかね。
登場人物は主だった人が8人〜10人出てきます。
えーと、それを、私一人で演じます。
どうやって?
え、と、、どうやって…でしょう…あはは(笑)。
いやあの、単なるコスト削減じゃないんですよ。そりゃ、10人出てきたら簡単です(簡単じゃないけど)。せっかく、永田砂知子という「演劇」ではない、しかも特別な存在と組むのですから、ライブ感覚のあるものをやりたいと思ったのです。
そして、この登場人物達を、一人でやったら面白いんじゃないかな…と本能的に思ったわけですね。
それに美術のトクマスヒロミも「あいさん、ぴったり〜〜〜♪」と喜ぶし、照明の横原由祐も「あ、いいんじゃないすか」といっていたので、このような次第になりました。
そのことを前述の奥香織氏にお話したら、「いいですね!この人物達は一人の人間の二面性のようなものも表していますからね、とても良いアイデアだと思いますよ!」
よっし、お墨付きだー!
と、いうことでうんうん唸っております。
お題の答えは〜〜〜〜皆様の胸の内に♪
こうご期待!
先だって、マリヴォー研究をされている奥香織氏にお目にかかって、マリヴォーの時代や「いさかい」の背景について伺ったのがとても深くて、戯曲の文字だけを読んでも分からなかったことにいちいち感心してしまいました。現代的〜と思ったことが実は18世紀ならではの試みだったりして。いろいろお伝えしたいことがいっぱいです。でも、それはひとまずおいておくとして、
今日のお題は「男と女はじめに浮気をするのはどーっちだ?」。
はい、そこのあなた…「男。」
はい、そうかもしれません。
はい、そちらのかた…「女。」
うん、やっぱりね。
はい、向こうの方…「どっちも。」
そりゃそうだ。
石田純一さんは以前「浮気は文化だ」とおっしゃってましたね。あ、不倫でしたっけ。
上野千鶴子さんは以前「遺伝子の乗り物としてオスはあちこちばらまくようにできてる」とお書きになってましたね。旧憲法では姦通罪がありましたが、光源氏はお気に召すままでした。え〜〜〜〜〜それ以上はわたしには分かりません(笑)。
この戯曲「いさかい」の中では、貴族がそれを実験で確かめよう!と思い立って、20年がかりで男女の子ども達4人を誰にも会わせず育てて、今日はじめて会わせる様子を観察するのです。おおかがりですねぇ。さすが貴族(会ったことないけど)。
ところで…
20年近く、養育係の黒人2人以外は知らずの育つって、ど、どうなんでしょ?
この戯曲は、長らくイタリア人劇団に多くの作品を提供してきたマリヴォーが、フランス人劇団に向けて書いたもので、本読みの段階では俳優に好意的に受け入れられたものの、初演1回の上演で忘れ去られたそう…。俳優の力量に寄るところが大きかったらしいです。
げーっ!!(…なんてものを選んでしまったのか!う〜〜…だっておもしろかったんですもの)
その後1973年にパトリス・シェローの演出で脚光を浴び、今ではマリヴォー劇の中でもっとも上演される作品となっています。
いま、ものすごく現代的に感じるということは、当時はものすごく前衛的だったのではないでしょうかね。
登場人物は主だった人が8人〜10人出てきます。
えーと、それを、私一人で演じます。
どうやって?
え、と、、どうやって…でしょう…あはは(笑)。
いやあの、単なるコスト削減じゃないんですよ。そりゃ、10人出てきたら簡単です(簡単じゃないけど)。せっかく、永田砂知子という「演劇」ではない、しかも特別な存在と組むのですから、ライブ感覚のあるものをやりたいと思ったのです。
そして、この登場人物達を、一人でやったら面白いんじゃないかな…と本能的に思ったわけですね。
それに美術のトクマスヒロミも「あいさん、ぴったり〜〜〜♪」と喜ぶし、照明の横原由祐も「あ、いいんじゃないすか」といっていたので、このような次第になりました。
そのことを前述の奥香織氏にお話したら、「いいですね!この人物達は一人の人間の二面性のようなものも表していますからね、とても良いアイデアだと思いますよ!」
よっし、お墨付きだー!
と、いうことでうんうん唸っております。
お題の答えは〜〜〜〜皆様の胸の内に♪
こうご期待!
<公演詳細>
art unit ai+ 実験公演
マリヴォー「いさかい」
La dispute de Marivaux
【原作】マリヴォー【構成・演出・出演】金子あい【音楽・演奏】永田砂知子
【美術】 トクマスヒロミ 【照明】横原由祐
【日時】
2013年(全5回公演、開場は開演の30分前)
6月12日(水) 19:30開演
6月13日(木) 14:00開演/19:30開演
6月14日(金) 14:00開演/19:30開演
【会場】
Performing Gallery & Cafe 絵空箱 http://esorabako.com/
(地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅1番出口徒歩2分)
新宿区山吹町361誠志堂ビル1階
【料金】
前売 2,800円/当日 3,300円/学生・研究生2,300円
(一名につき料金+1ドリンク700円オーダーが必要です。 全席自由)
【主催】art unit ai+
【ご予約・お問合せ】
art unit ai+ (アートユニットアイプラス)
tel:090-6707-1253
e-mail:auaplus@gmail.com
2013年5月25日土曜日
La Dispute “いさかい” ことはじめ
6/12〜14に上演するマリヴォー「いさかい」。
只今、絶讃ご予約受付中です!
なかなかご予定が決まらないという方は当日でも大丈夫ですので、お気軽に足をお運び下さい。お待ちしております。
さて、いったい「いさかい」のどこが面白いの?といまいち乗り気にならない方のためにも、これから、この戯曲の面白さを私なりに少しずつお伝えしていきたいと思います。なにぶん、フランス文学・歴史の専門家ではありませんのその点はどうかご容赦を。
マリヴォーは18世紀のフランスの劇作家で、「La Dispute いさかい」は今から269年前、1744年に書かれました。ものすごくおおざっぱに言えば、フランス革命の少し前で、ルイ15世のころ。マリーアントワネットの登場はもう少し後です。ボーマルシェ「フィガロの結婚」も同時代。「ベルサイユのばら」を想像していただければいいかもしれません。日本は江戸時代、暴れん坊将軍 徳川吉宗の最後、近松門左衛門の頃です。(…といっても私もピンと来ないけど。)
マリヴォーの戯曲の中でも、この「いさかい」は、ほとんど“18世紀”というものを意識させないと言ってもいいと思います。まるで現代劇かと思うくらい今の私たちにすんなりはいってきます。
この戯曲は二重構造(劇中劇のようなもの)になっていて、始めと終わりに王侯貴族が出てきます。真ん中が貴族の思惑による「ある実験」が行われるのですが、それがまあ、人間の本性というものをマリヴォーはよく観察していて、面白い。さっき近所のカフェで書きあげたんじゃないかと思うくらい現代の私たちと変わらぬやりとりに思わずにやりとします。
その実験とは…
20年ほど前から宮廷では、“恋愛において最初に「不実」を行うのは、男と女のどちらが最初か”という論争が起こっていました。そこで先王は、生まれたばかりの男女4人の子ども達を人里離れた森に一人一人別々に隔離し、黒人2人の世話係の他は、誰にも会わせず育てました。ちょうど今日、その子ども達を生まれて初めて、自分以外の「人間」と出会わせ、何が起こるかを見物しようという壮大なものでした。
…王侯貴族というのはすごい実験をしますね。
この戯曲は二重構造(劇中劇のようなもの)になっていて、始めと終わりに王侯貴族が出てきます。真ん中が貴族の思惑による「ある実験」が行われるのですが、それがまあ、人間の本性というものをマリヴォーはよく観察していて、面白い。さっき近所のカフェで書きあげたんじゃないかと思うくらい現代の私たちと変わらぬやりとりに思わずにやりとします。
その実験とは…
20年ほど前から宮廷では、“恋愛において最初に「不実」を行うのは、男と女のどちらが最初か”という論争が起こっていました。そこで先王は、生まれたばかりの男女4人の子ども達を人里離れた森に一人一人別々に隔離し、黒人2人の世話係の他は、誰にも会わせず育てました。ちょうど今日、その子ども達を生まれて初めて、自分以外の「人間」と出会わせ、何が起こるかを見物しようという壮大なものでした。
…王侯貴族というのはすごい実験をしますね。
実は、彼がそのような戯曲を書いたのは、時代の影響が大きいと言えます。18世紀のフランスは絶対王朝の凋落が始まり、フランスは外交的失敗を重ね、非キリスト教世界との接触を通じて従来の規範が動揺しはじめました。あらゆる分野で前世紀を乗り越えようという動きが起こりました。哲学者は宗教による束縛から脱して一切を理性の立場から批判しようとし、喜劇作家もそれぞれ独自の方法で前世紀を乗り越えようとしました。17世紀の権威精神・絶対性・芸術的完全性に代わり、批判精神・相対性・実験的試みが力を得てきます。人間の感情や本能を重視するのが「いさかい」の中に大きく反映されていると思います。
そう考えると一見何気ない台詞が大きな意味を含んでいるように思えてきました。戯曲の謎解きにやりがいを感じます!
そう考えると一見何気ない台詞が大きな意味を含んでいるように思えてきました。戯曲の謎解きにやりがいを感じます!
サロン文化が花開き、礼節が重んじられた18世紀フランスの上流社会を代表する貴族と、彼らの「実験」に出てくる4人の子ども達の話はまた次回。
<公演詳細>
art unit ai+ 実験公演
マリヴォー「いさかい」
La dispute de Marivaux
【原作】マリヴォー【構成・演出・出演】金子あい【音楽・演奏】永田砂知子
【美術】 トクマスヒロミ 【照明】横原由祐
【日時】
2013年(全5回公演、開場は開演の30分前)
6月12日(水) 19:30開演
6月13日(木) 14:00開演/19:30開演
6月14日(金) 14:00開演/19:30開演
【会場】
Performing Gallery & Cafe 絵空箱 http://esorabako.com/
(地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅1番出口徒歩2分)
新宿区山吹町361誠志堂ビル1階
【料金】
前売 2,800円/当日 3,300円/学生・研究生2,300円
(一名につき料金+1ドリンク700円オーダーが必要です。 全席自由)
【前売発売開始】
2013年4月8日(月)
【主催】art unit ai+
【ご予約・お問合せ】
art unit ai+ (アートユニットアイプラス)
tel:090-6707-1253
e-mail:auaplus@gmail.com
※お名前、ご住所、電話、観劇日時、枚数を明記の上ご予約下さい。
2013年5月23日木曜日
「いさかい」掲載情報
今回はフランス関係の情報誌にいくつか掲載していただきました。
フランス語圏情報ウェブマガジン
「フラン・パレル」チケットプレゼントも!
http://www.franc-parler.jp/spip.php?article103&lang=fr
白水社「ふらんす」5月号 77p
https://www.hakusuisha.co.jp/france/
フランス語をレッスンしたい人のウェブマガジン
「ショコラ」イベント欄
http://fr-chocolat.com/events
<公演詳細>
art unit ai+ 実験公演
マリヴォー「いさかい」
La dispute de Marivaux
【原作】マリヴォー【構成・演出・出演】金子あい【音楽・演奏】永田砂知子
【美術】 トクマスヒロミ 【照明】横原由祐
【日時】
2013年(全5回公演、開場は開演の30分前)
6月12日(水) 19:30開演
6月13日(木) 14:00開演/19:30開演
6月14日(金) 14:00開演/19:30開演
【会場】
Performing Gallery & Cafe 絵空箱 http://esorabako.com/
(地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅1番出口徒歩2分)
新宿区山吹町361誠志堂ビル1階
【料金】
前売 2,800円/当日 3,300円/学生・研究生2,300円
(一名につき料金+1ドリンク700円オーダーが必要です。 全席自由)
【前売発売開始】
2013年4月8日(月)
【主催】art unit ai+
【ご予約・お問合せ】
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tel:090-6707-1253
e-mail:auaplus@gmail.com
※お名前、ご住所、電話、観劇日時、枚数を明記の上お申込み下さい。
フランス語圏情報ウェブマガジン
「フラン・パレル」チケットプレゼントも!
http://www.franc-parler.jp/spip.php?article103&lang=fr
白水社「ふらんす」5月号 77p
https://www.hakusuisha.co.jp/france/
フランス語をレッスンしたい人のウェブマガジン
「ショコラ」イベント欄
http://fr-chocolat.com/events
<公演詳細>
art unit ai+ 実験公演
マリヴォー「いさかい」
La dispute de Marivaux
【原作】マリヴォー【構成・演出・出演】金子あい【音楽・演奏】永田砂知子
【美術】 トクマスヒロミ 【照明】横原由祐
【日時】
2013年(全5回公演、開場は開演の30分前)
6月12日(水) 19:30開演
6月13日(木) 14:00開演/19:30開演
6月14日(金) 14:00開演/19:30開演
【会場】
Performing Gallery & Cafe 絵空箱 http://esorabako.com/
(地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅1番出口徒歩2分)
新宿区山吹町361誠志堂ビル1階
【料金】
前売 2,800円/当日 3,300円/学生・研究生2,300円
(一名につき料金+1ドリンク700円オーダーが必要です。 全席自由)
【前売発売開始】
2013年4月8日(月)
【主催】art unit ai+
【ご予約・お問合せ】
art unit ai+ (アートユニットアイプラス)
tel:090-6707-1253
e-mail:auaplus@gmail.com
※お名前、ご住所、電話、観劇日時、枚数を明記の上お申込み下さい。
2013年4月27日土曜日
慰安旅行?
友人が耐震工事でエコポイントをもらったので、慰安旅行に行こうと誘ってくれた。ありがたくご相伴にあずかり、でこぼこコンビで、期限ぎりぎりにやっと先日、日本三景松島温泉で一泊二日のプチ慰安旅行に行った。
行きがけに仙台で若冲展を見て、松島では一番最後の遊覧船に乗りカモメと競争し(寒かった)、シーズン前のホテルで温泉貸し切り状態で堪能。静か〜〜海がきれい〜〜絶景〜〜〜おいしい〜〜〜お風呂最高〜〜〜!翌日は朝から瑞巌寺、円通院をじっくり見て伊達藩の力を目の当たりにし、このまま帰るのはもったいないと、せっかくなので代行バス&仙石線で石巻へ。短時間なので、タクシーの運転手さんににお願いして、津波の被害についていろいろと教えて頂きながら一回り。3000人が犠牲になった石巻。ご冥福を心より祈る。ものすごく寒かったが、日和山は桜が満開で見事だった。家々がごっそり流されてしまった地域の献花台の脇に、6.9mの津波の高さを記したポールが立っている。想像を絶する津波の大きさに声が出なかった。瓦礫こそかなり減ったが、まだ何もない街を見て復興の道のりの険しさを思った。市場や市街地を細かく回ってくれた運転手さん。詳細を説明してくれてとてもいい方だった。仙台で約束があったので後ろ髪引かれつつも石巻線経由で仙台長町にもどり、急遽アポを取った詩人の斎藤紘二さんにお目にかかる。これまで詩を読ませていただいていたがお会いするのは初めて。急なお願いにもかかわらず、詩作についていろいろとお話をきかせていただき、楽しいひとときだった。急ぎ仙台へ戻り、山形弁の話を伺うために知人に紹介してもらったHさんにお会いする。言葉の話から東北の文化・歴史の話になりものすごく面白かった。もっと聞きたかった!でも続きは次回ということで、仙台駅構内のものすごく美味しい立ち食い寿司を堪能し帰京。
結局、仕事並みのスケジュールで移動してしまった…どこが慰安なんだか(笑)。
みっちりぎっしりでしたが、4日分くらいの充実した2日間でした。
やっぱり旅はいいなあ。
2013年4月19日金曜日
自分の頭で憲法を考える
井上ひさしさんは『二つの憲法』にこう書いています。「他人(ひと)の頭でではなく、自分の頭で憲法を考える。そのための知恵を、いささかでも備えておきたいのです。」
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去る3月9日、私は、武蔵野公会堂で行われた、女性「九条の会」8周年のつどいで「憲法前文」の朗読をする機会をいただきました。そこで、私は生まれて初めて、真剣に「憲法前文」を読みました。そこに何が書かれているとおもいますか?皆さんにもぜひあらためて読んでいただきたいです。意味を理解するために、子どものための「わたしたちの憲法」も併せて載せます。自民党「憲法改正草案」と比較してみて下さい。声に出して読み比べるととてもよく分かります。同じように見えて大きな違いがあります。現行憲法には国民を主体に理念と格調の高さ、強い決意がありますが、改正草案はどうでしょうか?安倍首相の言う「憲法を国民の手に取り戻す」という言葉を安易に鵜呑みにせず、自分の頭でしっかりと考えたいと思います。
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●「日本国憲法」
(前文)
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。
●「憲法のこころ」
わたくしたちは、人類の平和と世界の国ぐにのしたしいまじわり、民主主義と自由をたいせつにすることこそが、わたくしたちを幸福にしてくれるものであることを信じて、この憲法をつくりました。だから政府のまちがったおこないのおかげで、むごたらしい戦争がおこるようなことは、けっして許しません。
わたくしたちは、わたくしたちじしんが、ほんとうに幸福になるような政治がおこなわれるようにするには、どうしたらよいか、それをきめる力は、わたくしたち国民にあることをかたく信じます。これは、世界中の人びとが信じていることでもあります。だからわたくしたちは、この考え方にあわない憲法や法律や詔勅は、いっさいみとめません。
わたくしたちは、いつも、この「国民主権」という考えかたにしたがって、わたくしたちの代表(それのそうだん)による政治をおこなうことにします。
わたくしたちは、世界が、いつも、またいつまでも平和であることを、心からねがいます。そして、世界のどんな国ぐにの人も同じねがいを持っていることを信じます。だから、世界中の人びとの真実と正義を愛する心に信頼して、わたくしたちが安全にくらしていく道をみつけだしたいとおもいます。わたくしたちが戦争をしないこと、戦力をもたないことを、この憲法にきめるのは、そのためです。わたくしたちは、平和ななかで、平等なつきあいのなかで、おたがいの国ぐにが、明るく、楽しくくらしていこうと努力している人類の仲間として、はずかしくない国民になることをちかいます。
わたくしたちは、それぞれの国ぐにの人たちが、じぶんの国の主権をたいせつにしなければならないとおもいます。また、他の国の主権をたいせつにしなければならないと考えます。だから、じぶんの国の利益と幸福だけを考えて、他の国の利益と幸福を忘れるようなことがあってはなりません。あくまでも平等という考えかたで、おたがいのつきあいをしていきます。
わたくしたちは、日本の国の独立をほこるとともに、他国の独立を尊重します。そして、おたがいの利益と幸福のためにつくられた国際間のやくそくや習慣をかたく守って、全世界の人びとのよい仲間になりたいとおもいます。
わたくしたちは、日本の名誉のため、ありったけの力を出して、この憲法のこころを、じっさいに生かしていくことを、おたがいどうしと世界の人びとの前に、ちかいます。
(有斐閣「わたくしたちの憲法」宮沢俊義・国分一太郎著より)
●自民党「日本国憲法改正草案」
(前文)
日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政、司法の三権分立に基づいて統治される。
我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。
日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。
=======
自民党が出している「憲法改正草案」PDF文章を手に入れて現行憲法と比較して読んでください。
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/116666.html
自分で読んでも分からない時は、勇気を出して憲法の勉強会や講演にいってみてください。とてもよくわかります。
***************************************
art unit ai+ 実験公演
マリヴォー「いさかい」
La dispute de Marivaux
【原作】マリヴォー【構成・演出・出演】金子あい【音楽・演奏】永田砂知子
【美術】 トクマスヒロミ 【照明】横原由祐
【日時】
2013年(全5回公演、開場は開演の30分前)
6月12日(水) 19:30開演
6月13日(木) 14:00開演/19:30開演
6月14日(金) 14:00開演/19:30開演
【会場】
Performing Gallery & Cafe 絵空箱 http://esorabako.com/
(地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅1番出口徒歩2分)
新宿区山吹町361誠志堂ビル1階
【料金】
前売 2,800円/当日 3,300円/学生・研究生2,300円
(一名につき料金+1ドリンク700円オーダーが必要です。 全席自由)
【前売発売開始】
2013年4月8日(月)
【主催】art unit ai+
【ご予約・お問合せ】
art unit ai+ (アートユニットアイプラス)
tel:090-6707-1253
e-mail:auaplus@gmail.com
※お名前、ご住所、電話、観劇日時、枚数を明記の上お申込み下さい。
2013年4月3日水曜日
今度はフランス演劇!!マリヴォー「いさかい」公演 6/12〜14
あの「平家物語」のart unit ai+の4人が、
18世紀フランスの戯曲家マリヴォーのコメディ に 挑 戦 します!
波 紋 音(はもん) の 永 田 砂 知 子 が アバンギャルドなピ アノ を 弾 く? 8 人 の 人 物 を 金 子 あ い が どうやって一 人 芝 居 に ? そして、トクマスヒロミの美術と横原由祐の照明が鮮やかに描き出すマリヴォーの世界! パフォーミングギャラリー&カフェ「絵空箱」でお酒やお茶を飲みながらどうぞごゆっくりとご見物下さい。
●ストーリー
この世の恋愛において、最初に「不実」を行うのは男か?女か? 宮廷で起きたその論争の真相を確かめるため、ある王侯が19年前に実験を行った。それは生まれた ばかりの男女4人の子どもエグレ、アゾール、アディーヌ、メスランを社会から隔離し、人里離れた「こ の家」で4人別々に育てるというもの。今なお彼らは決してお互い顔を合わせぬよう、定められた敷地 から外へ出られない。彼らの知り合いは唯一自分たちを育て、面倒を見ている黒人のメスルーとカリー ズだけ。19年後の今日、はじめて成人した彼らが2人の異性と1人の同性に出会う。世界のはじまり、 最初の恋愛の再現。果たして文明に汚染されていない彼らに何が起こるのか?さあ、皆様を壮大な実 験にご招待します!
1744年に書かれた戯曲ですが、ちっとも古さを感じさせない人間の本質を描いた面白い作品です。art unit ai+ならではのアレンジをお楽しみに!
<公演詳細>
art unit ai+ 実験公演
マリヴォー「いさかい」
La dispute de Marivaux
【原作】マリヴォー【構成・演出・出演】金子あい【音楽・演奏】永田砂知子
【美術】 トクマスヒロミ 【照明】横原由祐
【日時】
2013年(全5回公演、開場は開演の30分前)
6月12日(水) 19:30開演
6月13日(木) 14:00開演/19:30開演
6月14日(金) 14:00開演/19:30開演
【会場】
Performing Gallery & Cafe 絵空箱 http://esorabako.com/
(地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅1番出口徒歩2分)
新宿区山吹町361誠志堂ビル1階
【料金】
前売 2,800円/当日 3,300円/学生・研究生2,300円
(一名につき料金+1ドリンク700円オーダーが必要です。 全席自由)
【前売発売開始】
2013年4月8日(月)
【主催】art unit ai+
【ご予約・お問合せ】
art unit ai+ (アートユニットアイプラス)
tel:090-6707-1253
e-mail:auaplus@gmail.com
※お名前、ご住所、電話、観劇日時、枚数を明記の上お申込み下さい。
2013年4月2日火曜日
【満員御礼】鎌倉 古民家で聴く「平家物語」
お陰様で満員となりましたので、受付は終了いたしました。
誠にありがとうございます。
なお、当日券はございませんので、当日直接お越しになってもお入り頂けません。どうぞご了承下さい。(限られた定員のため、事前にお申込の上、チケット代金をお振り込み頂きませんとご入場できませんのでご注意下さい。)
2013年3月9日土曜日
2013年2月3日日曜日
フクシマを思う8「脱原発で新しい社会経済システムへ
あの日から丸2年。
原発事故の収束や被災地の復興には長い年月がかかるということは、分かってはいたけれど、すこし疲れて、立ち止まりたくなる今日この頃。私たちを疲れさせる原因の一つは、私たち市民の思いを見事に無視して「後戻り」していく政治と、相変わらずその方棒を担ぐマスコミ報道。
命より優先される経済ってなんですか?
命より優先される核エネルギーってなんですか?
「命を育む」「命を守る」ことの大切さが分かっていないこの国では、少子化に歯止めをかけることは出来ないだろうし、学校のいじめだってなくならない、とつくづく思う。
進むべき未来が見えれば、きっと、もっと私たちは元気に歩いて行くことが出来る──。
第8回目のゲストは「福島で起きたことは許し難いことである」とおっしゃる慶應義塾大学経済学部教授 金子勝さん。経済学の観点から「原発」の本質を明らかにし、新しい社会や経済システムを提言します。東日本大震災から丸2年が経ち、当事者として私たちは何をしていかなければならないでしょうか。皆さんと一緒に考えたいと思います。そして、毎回心を打つ、震災や原発に関連する詩の朗読と、プロミュージシャンによる素晴らしい生演奏で「福島の今」に思いを寄せます。今回から学生料金設定しました!次代を担う若い方々もぜひご参加下さいね!
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震災・原発事故を風化させない─3.11東日本大震災以降、吉祥寺で開催し続けている
吉祥寺チャリティライブ「フクシマを思う」シリーズ第8回
「脱原発で新しい社会経済システムへ」
【講演】金子 勝(慶應義塾大学経済学部教授)
http://blog.livedoor.jp/kaneko_masaru/
【演奏】アンディ・ベヴァン(Sax)
http://www.andybevanmusic.com/andy.jap/home.html
クリストファー・ハーディ(Perc)
http://christopherhardymusic.com/
彩愛玲(Harp)
http://saiailing.net/
【朗読】金子あい
【入場料】大人1500円、大学生500円、高校生以下無料
※入場料の一部は「未来の福島こども基金」贈ります。
【場所】吉祥寺光専寺本堂(JR中央線吉祥寺駅中央口下車、サンロード商店街突当たり五日市街道を左折、自転車店の先)
【ご予約・お問合せ】fkomou@gmail.com 090-2474-7911(鎌内)
※ご住所、お名前、人数、電話番号を明記の上メールでお申し込み下さい。
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