4月に日隅さんのクレヨンハウスでの講演に行った。その前に週刊金曜日の記事などを読んでいたので、元産経新聞の記者で、東電・政府の会見で鋭く追求し続ける弁護士の日隅さんのお話にはとても興味があった。
実は日隅さんは昨年の5月に体調を崩し検査したところ、胆のう癌であることが発覚、ステージ4で医者から「余命半年、抗がん剤が効けば1年」と宣告された。そのような状況でも会見には出席し続けた。闘病の記録や日隅さんの仕事に関しては日隅さんのブログhttp://yamebun.weblogs.jp/my-blog/をぜひご覧下さい。
日隅さんの話を聞いて私は唸ってしまった。この原発事故はなんて根深いのか…。私たち国民がいかにないがしろにされているか…東電と保安院をはじめとする国の役所がどれ事故と我々をなめきっているか…マスコミがいかになにも機能していないかが、嫌ってほどよく分かって、唸ってしまったのである。
早速に日隅さんの本を買って帰った。この本は木野さんとの共著で、今年1月に出版され、2ヶ月で6刷されている。大手書店の震災・原発関連コーナーには必ずと言っていいほど置いてある。膨大な取材メモを元に検証しているこの本は、ものすごく面白い。いや、現在進行形の史上最悪の原発事故を面白いと言うのははばかられるが、ここに出てくる会見のおおよそを私たちはテレビや新聞で見てきており、それがいかに事実を隠蔽していたか、腹立たしいけど面白いほど分かるのである。そのデタラメとお粗末振りは本当にひどい。そしてそれをおかしいと追求しない大手メディアもまた腐りきっていることがよく分かる。読み進めているうちに、どんどん腹が立ってくる。私たちはこの原発事故の当事者である。我々の健康が脅かされ命がかかっているにもかかわらず、東電や政府(官僚)は平気でウソをつく。隠す。そして、一般的なテレビや新聞の報道こそが私たちに成り代わってつねに、監視していなければならないのに、重要な情報を隠したまま、なんの検証もせず大本営発表を続けている。これは、もう、私たちは黙って鵜呑みにしていてはいけません。皆さんもぜひこの本を読んでみてください。8ヶ月に及ぶ会見を、メルトダウン、SPEEDI、作業員の被曝、フリージャーナリスト排除、何を守ろうとしたのか…などのテーマで検証しています。またトピックスも興味深い。汚染水が海へ漏れた時など、汚染水のルートを確認するために本来なら専用のトレーサーがあるのにも関わらず、市販の入浴剤が使われたのだという。そんなこと知ってました?止水のためにおがくずを投入したことなどを海外のマスメディアは批判的に報道したが、日本のマスコミはそのようなこともなかった…私たちは、情報を得ることが出来ない…鎖国よりひどい状況にあるのかもしれません。
日隅さんの病気がこれ以上進行しないことを切望します。もっと活動を続けてほしい。続けるべき人だと思います。
インターネットでも日隅さんのブログを読むことが出来ますが、生の声ほどひとにつたわるものはありません。
ぜひ、みなさん直接日隅さんの話を聞きにいらして下さい。
心よりお待ちしております。
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●ゲストミュージシャンは
バンドネオンの大久保かおりさんと、急遽、参加して下さることになったベースのカイドーユタカさんのお二人です。バンドネオンはタンゴで使われている楽器。哀切漂う音色も大久保さんの手にかかると不思議な世界に!(これも追ってブログでご紹介していきますね)
日曜日の午後、ご家族やお友だちを誘って吉祥寺散歩の途中にお立ち寄り下さい。
心よりお待ちしております。
※ 今回特別に、入場料には日隅さんの著書「『主権者』は誰か─原発事故から考える」(岩波ブックレット525円)が含まれます。また、収入の一部は「未来の福島こども基金」へ寄付いたします。
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吉祥寺チャリティライブ
フクシマを思うシリーズ5
「どうしたら原発事故のような人災を防ぐことができるのか」
6月10日(日)14時開演/13時30分開場
武蔵野商工会議所4階 市民会議室(ゼロワンホール)
●入場料:2,000円(全席自由)
●お問合せ:090-2474-7911(フクシマを思う実行委員会 鎌内)
●ご予約:メールliveticket@parkcity.ne.jp または Fax.0422-55-7351
お話●日隅一雄(弁護士)http://yamebun.weblogs.jp/my-blog/
バンドネオン●大久保かおりhttp://www.kaoneon.com/
ベース●カイドーユタカhttp://www.geocities.jp/pktakkn/index.html
朗読●金子あい