2011年6月11日土曜日

嵐のつかの間、波紋音に包まれる

三渓園に着いたら、台風のため、ものすごい雨!
嵐の中で浮き立つような新緑。

旧燈明寺本堂に入ると
ガラス作家荒川尚也さんのガラスオブジェが…

中でも蝉の抜け殻のオブジェが目を引く
古い本堂の埃っぽいようなかび臭いような木の匂いに
心落ち着かなかったけれど

しばらくするとオブジェは移動され
間仕切りの戸が外されて
永田さんが登場

客の方を向かずに
まるでご本尊にお経を唱えるお坊さんのように我々に背を向けて演奏を始めた

集大成とも言える集中力の高い演奏
波紋音の音が空間にしずくのように粒のようにきらきらと舞飛ぶ

永田さんは巫女のようでした

演奏すると言うよりも
楽器の中にある音をふさわしい順番で取りだして自由にしてやっている
そんな感じでした。

演奏後、空間プロデュースをしたガラス作家の荒川尚也さん
が話をされました。

私は、その話にとても共感しました。
寺院として使われていないこの建物に何か違和感を感じたと言う荒川さん
何かに似ている…と思い当たったのが

「空蝉」

ああ、そうか…それで抜け殻があったのか

こういう古いものをどうやって表現したらいいのか
とても悩んだと仰っていました

古典をやることの多い私は
とても共通するものを感じました

良い一日でした。






0 件のコメント: