2011年10月6日木曜日

目が回りそう

吉祥寺の平家公演が終わってほっとする間は全くなく、今週は連日のように講演の聞き手、解説のお仕事がはいっています。先週はまさに自分が主役で気合の火の玉を送りだすような感じでしたが、今週はワキ。合いの手でいかに面白くなるか、使う神経が180度異なります。

しかし、来週はおそろしく暇なのに、どうして忙しい時は重なるのでしょうかねぇ。(笑)。仕事っておかしなものです。でも、お声を掛けていただけるのが何より幸せ。たくさんの新しい出会いがあり、ありがたいなあとつくづく思っています。

●日曜日、新内の富士松小照師匠の「観月の宴」がありました。美味しい料理を楽しみながらお座敷で新内を聴く、ちょっとぜいたくで素晴らしい催しです。小照師匠はお綺麗でさっぱりしたとっても素敵な方で、うっとり聞きほれてしまいます。いいですねいいですね。静かな空間。お庭。ホールとは違うこういう楽しみ方をもっと多くの方に味わっていただきたいと仰っていました。お客様は長年新内を聞いていらっしゃる方が多く、若輩の私が解説をするのはやはり緊張します。演目は季節の「十三夜」と「尾上伊太八」。いろいろと調べるうちに十
三夜は面白いエピソードがたくさん出てきました。原作も読み返し、あらためてすごくいいなと。来年の十三夜には語ってみたいなととても思いました。お話面白かったといってくださる方がいたので、やはりネタ探しは重要!

●月曜日、私の能の師、粟谷明生先生が主催する初めての能楽鑑賞講座の聞き手を務めました。お客様は能を習っている方もいれば初心者の方もいらっしゃり、分かりやすさのレベルをどこに定めるかはテーマに合わせて毎回考えなければならないなと思いました。私自身も長年習っているので、知らないということがよく分からなくなってしまうんですね。
「天鼓」と「井筒」という二つの能についての大変面白い演者のこだわり話やトリビア的な話、その上に装束付けの実演もあり、てんこ盛りでした。今度は小分けにしましょう、先生。もったいない。でも、とても面白かったし、お能を見たことない人もある人も絶対楽しめますね。今度は皆さんぜひいらしてください。

●水曜日、(社)情報サービス産業協会が主催するコンベンションで、囲碁棋士・日本棋院棋士会長小川誠子先生の講演があり、聞き手を務めさせていただきました。囲碁は全くのど素人!にわか勉強はしましたがもちろん打てるはずもなく、これはもう、全国のど素人を代表してお話を伺うより他はありません!
しかし、小川先生はそんなことちっとも気になさらず、かえって新鮮だわと楽しんでくださいました。美しく柔らかな雰囲気がとても素敵で、お話を伺うほどに、厳しい修行と人生経験の中で培われたお人柄が素晴らしく大ファンになってしまいました。あまりに囲碁が面白そうなので、とうとう大勢のお客様の前で囲碁始めますと言ってしまった〜〜〜!

私の公演を見に来てくださる方々をはじめ、こうした素晴らしい方々とご縁があり、お話を伺えることは何よりの喜びです。特に震災以降、そう感じるようになりました。


皆さんありがとうございました。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

2011.10.9(日)に行われた「第90回粟谷能の会」の鑑賞案内で、こんな美しい日本語を話される方はどなた、と思い、こちらのブログをのぞかせていただきました。海外に住んでいるので、簡単ではないのですが、またぜひご公演に伺いたく思います。ありがとうございました。

あい さんのコメント...

コメントをありがとうございました。嬉しいお言葉。大変励みになります。海外にお住まいとの事ですが、機会がありましたら、是非また足をお運び下さいませ。次回も解説をやらせていただく予定です。演能の邪魔にならないように、皆様に少しでも心地よくお能を観ていただければと思いながらお話をさせていただきました。私自身大変勉強になっております。
ありがとうございました!