もちろん私は演奏するわけではありませんから、音を見つける作業中は人生の大先輩である(笑)永田さんに「あ〜〜それかなあ?」とか「違う〜!」とか好き勝手なことを言います。すると永田さんは、ちょっと困ったリスのように、たくさん並べた楽器の前をあっち、こっち動き回り弾いたり叩いたりしながら「これかな?…これは乙女チックか?…これは強いな…これはバカみたい!」などぶつぶつ独りごち、音を見つけ出してくれます。その姿があまりにかわいくてひそかな楽しみになっているのですが、それは永田さんにはナイショです。
今回は、マリヴォーの戯曲を自ら一人芝居用に構成し直しました。専門家にお願いすればもっと簡単だったかもしれませんが、何しろ、登場人物が少なくとも8人はいるので、自分でどう演じることができるのかを想定することが必要でした。四苦八苦しましたねえ。原作のエッセンスは感じて頂けるかなあと思っています。
作品のイメージのようなものは、はじめから遠く霞の向こうに見えているのですが、台本を構成している時に詳細まで摑み切れているかと言えば、全然そんな事はありません。できあがった台本をあたらめてどう形にするか、やはり順を追って考えます。
その中で、音の役割はとても大きく、作品の世界観はもちろん、台詞と音との距離感を考えることで、言葉がより聞こえてきたり、分からなくなったり、面白くなったりするのです。悲しいからといってめいいっぱい悲しい音楽がいいかと言えばそんな事ありません。永田さんと二人「ドラマの音楽作ってる人ってどうやってるんだろうね???」とか言いながらあれこれするのは大変ですが、形になってくると充実感を感じます。そして、舞台での永田さんの存在もこの作品ではとても重要な役割があります。あ、リスの役じゃないですよ(笑)。
これは先週のリハ |
一昨日のリハーサルでは、演技プランと音プランを美術家照明家に見せたところ、一応うけてたので、ひとまずホッとしました。マリヴォーのクスッと笑っちゃう面白さが出てきたらこっちのもの。がんばろっと。(笑)
「平家物語」公演から自分(達)の作品として、演出もやるようになりましたが、まだまだ、慣れない私。リハーサルでは美術家、照明家の客観的な意見が本当に力強いです。自分で自分にむちゃ振りして、いつも途方に暮れている私ですが、「このチームだからこそ普通のスタンスのお芝居じゃないものを」と難しくてあたたかい励ましを美術家と照明家にかけられつつ、四人が専門分野を超えて、わいわいがやがやの作品づくりです。お楽しみに!
毎回終演後は、メンバーも会場でくつろぎますので、楽しくお話しなどできればと思っています。どうぞごゆっくり楽しんでいってください
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<公演詳細>
art unit ai+ 実験公演
マリヴォー「いさかい」
La dispute de Marivaux
【原作】マリヴォー【構成・演出・出演】金子あい【音楽・演奏】永田砂知子
【美術】 トクマスヒロミ 【照明】横原由祐
【日時】
2013年(全5回公演、開場は開演の30分前)
6月12日(水) 19:30開演
6月13日(木) 14:00開演/19:30開演
6月14日(金) 14:00開演/19:30開演
【会場】
Performing Gallery & Cafe 絵空箱 http://esorabako.com/
(地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅1番出口徒歩2分)
新宿区山吹町361誠志堂ビル1階
【料金】
前売 2,800円/当日 3,300円/学生・研究生2,300円
(一名につき料金+1ドリンク700円オーダーが必要です。 全席自由)
【主催】art unit ai+
【ご予約・お問合せ】
art unit ai+ (アートユニットアイプラス)
tel:090-6707-1253
e-mail:auaplus@gmail.com
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