2011年10月24日月曜日

ワタクシ、週間「碁」に載りました!


先日開催されたJISAコンベンションで
日本棋院棋士会長 小川誠子六段の講演で聞き手をつとめさせて頂きました。
その時の記事が、なんと、週刊「碁」に掲載されました!なんだか嬉し恥ずかしデス。
こんなことでもなければワタクシぜ〜ったいこの新聞に載ることなんかありませんもの。嬉しいですね!で、拝読。あ〜〜〜〜「囲碁はじめます宣言」がこんな所にも!(><)

小川先生に「あの〜〜〜、囲碁ってどうやるんですか??」と率直な質問を(勇気を出して)してみたら、会場の囲碁経験者からは「ぶっ!」と吹き出すような失笑が〜〜〜。
すみません〜、でも、小川先生だから聞けたのですぅ〜、小川先生はそんな質問もおもしろがって丁寧に答えて下さいましたよ。

そのあと楽屋で王銘琬先生が「いや〜面白かったですよ!私たちは小さい頃から囲碁をやっているので、出来ない人のことが分からないのです。だから今日はぜんぶ勉強になりました!(笑)」

囲碁界の方は皆さんなんて優しいんでしょう!
でも、小川先生とのお話はいつまでもしていたかったくらい、本当に楽しかったです。


2011年10月17日月曜日

髪を切ってさっぱり!

新内・能・囲碁・能と怒濤の3種目連続日替わり本番 (←なんだかわからないですねこれじゃ。笑。)が終わって一週間。能楽師の先生方といろいろお話しさせて頂き、お酒もダイブいただいて、連休の最終日はクレヨンハウスの朝の学校に(若干二日酔いで)参加。フォトジャーナリスト樋口健二さんの原発被爆労働者のお話を聞き、私の脳みそは完全にぐるぐるミックス。さすがにキャパオーバーで知恵熱ダウン。そして震災前から伸ばしっぱなしでもう長くなりすぎた髪が急に我慢できなくなって、思いっきりばっさり切りました。くるくるパーマもかけて、平家物語のイメージとは全然違う別人になりました〜。そうですね、一言で例えるなら、寝癖のイタリア人か、もしくは、風にあおられたフランス人みたいな感じです。

イマイチ元気が戻らないので、なかなか、よいしょと取りかかれないのですが、そろそろ、平家の写真をアップします。そして、フクシマシリーズのチラシをデザインしなきゃ〜。
でも、今日は寝ます。。。。お休みなさい。

2011年10月6日木曜日

小川誠子先生と王銘琬先生に挟まれて

目が回りそう

吉祥寺の平家公演が終わってほっとする間は全くなく、今週は連日のように講演の聞き手、解説のお仕事がはいっています。先週はまさに自分が主役で気合の火の玉を送りだすような感じでしたが、今週はワキ。合いの手でいかに面白くなるか、使う神経が180度異なります。

しかし、来週はおそろしく暇なのに、どうして忙しい時は重なるのでしょうかねぇ。(笑)。仕事っておかしなものです。でも、お声を掛けていただけるのが何より幸せ。たくさんの新しい出会いがあり、ありがたいなあとつくづく思っています。

●日曜日、新内の富士松小照師匠の「観月の宴」がありました。美味しい料理を楽しみながらお座敷で新内を聴く、ちょっとぜいたくで素晴らしい催しです。小照師匠はお綺麗でさっぱりしたとっても素敵な方で、うっとり聞きほれてしまいます。いいですねいいですね。静かな空間。お庭。ホールとは違うこういう楽しみ方をもっと多くの方に味わっていただきたいと仰っていました。お客様は長年新内を聞いていらっしゃる方が多く、若輩の私が解説をするのはやはり緊張します。演目は季節の「十三夜」と「尾上伊太八」。いろいろと調べるうちに十
三夜は面白いエピソードがたくさん出てきました。原作も読み返し、あらためてすごくいいなと。来年の十三夜には語ってみたいなととても思いました。お話面白かったといってくださる方がいたので、やはりネタ探しは重要!

●月曜日、私の能の師、粟谷明生先生が主催する初めての能楽鑑賞講座の聞き手を務めました。お客様は能を習っている方もいれば初心者の方もいらっしゃり、分かりやすさのレベルをどこに定めるかはテーマに合わせて毎回考えなければならないなと思いました。私自身も長年習っているので、知らないということがよく分からなくなってしまうんですね。
「天鼓」と「井筒」という二つの能についての大変面白い演者のこだわり話やトリビア的な話、その上に装束付けの実演もあり、てんこ盛りでした。今度は小分けにしましょう、先生。もったいない。でも、とても面白かったし、お能を見たことない人もある人も絶対楽しめますね。今度は皆さんぜひいらしてください。

●水曜日、(社)情報サービス産業協会が主催するコンベンションで、囲碁棋士・日本棋院棋士会長小川誠子先生の講演があり、聞き手を務めさせていただきました。囲碁は全くのど素人!にわか勉強はしましたがもちろん打てるはずもなく、これはもう、全国のど素人を代表してお話を伺うより他はありません!
しかし、小川先生はそんなことちっとも気になさらず、かえって新鮮だわと楽しんでくださいました。美しく柔らかな雰囲気がとても素敵で、お話を伺うほどに、厳しい修行と人生経験の中で培われたお人柄が素晴らしく大ファンになってしまいました。あまりに囲碁が面白そうなので、とうとう大勢のお客様の前で囲碁始めますと言ってしまった〜〜〜!

私の公演を見に来てくださる方々をはじめ、こうした素晴らしい方々とご縁があり、お話を伺えることは何よりの喜びです。特に震災以降、そう感じるようになりました。


皆さんありがとうございました。

2011年9月28日水曜日

本番の朝

琴奨菊が今日は大関昇進と言うことで
おめでとうございます。
私も四字熟語で決意表明を。
なにか、一がつくらしいので…

「一進一退」!
…決意じゃないですね

「一日一善」!
…なかなかやれてないな長いこと一日一膳だと思っていた…

「一期一会」!
今日はやっぱりこれだな〜

今日はいい天気です。本当にありがたい。
昼前から仕込み、会場作り、リハーサルそして、本番。

うたかたの夢のように終わる一日だけの公演。
そこにおいで下さるお客様がいるということに心から感謝いたします。

どうか皆様良い一日でありますように。

800年前に旅してきます。

行ってきます!

2011年9月26日月曜日

松本公演ありがとうございました!そしてあさって吉祥寺公演!

こんにちは。
今日はどんより曇り空、と思ったら雨が降ってきました。

それにしても先週の水曜日の台風は凄かったですねぇー!!
身の危険を感じる風とはああいうことを言うのでしょうね。天空が低く高く轟々とうなり、でっかい木の枝が時折びゅーんと飛んできて、ガラスに当たったらどうしようとひやひやしました。台風一過。ベランダの手すりはものすごくきれいになりましたが、街へ出るといろんな物が吹きだまりに溜まってましたね。有史ならぬ自分史以来あまり記憶にない台風直撃でした。

平家物語の松本公演が先々週の水曜日で、吉祥寺公演が今週の水曜日。制作と電話で話しながら「いやあ〜どちらの公演が一週ずれても大変な事だったね…」と、そう言えば2、3年前のこの時期に松本で芝居に出た時には、たしかものすごい台風であずさが運休し、東京からのお客様が全然来られなかった事を思い出しました。あさってはいいお天気に恵まれますように!

さて、松本の平家の公演は、なんとなんと満員!!のお客様で大感激!主催者の方々のご尽力に心から感謝申し上げます。最高に素晴らしい劇場で、語り芝居と波紋音演奏と舞台美術と照明の4者と、そしてお客様が一期一会のセッションをした、そんな感じの緊迫感ある舞台でした。会場は不思議な熱気とピンとした空気に包まれました。それはもしかすると、平家物語そのものがそうだからかもしれません。激動の時代に、絶えず死に直面しながら厳しい運命を生き抜いた人々の物語です。

今回、自分が言い出しっぺで、しかも一人語りで、これだけの方々に支えていただきながら舞台を務めさせていただいているんだ、と突然、出演前にいまさらながら気づいてしまい、なんておっそろしいことやってるんだろう〜〜とがたがたどきどき!!もう、なんていうんですかね、う〜〜〜んジェットコースターの一番てっぺんに登り詰めてもう引き返せないみたいな、あぁ”〜〜〜〜〜〜っっ!!みたいなそんな感じでした。いつも大勢いる楽屋にも自分しかいないし……舞台が終わってから気づけば良かった…。


でも、一番お見せしたかった平家の舞台が実現できて、お力添え下さったすべての皆様に、本当に感謝申し上げます。まもなく写真アップしますね。

さあ、吉祥寺光専寺での平家物語もいよいよ明後日です。
こちらもなんとなんと、お陰様で早々と、予約が完売し追加席もいっぱいという嬉しい悲鳴をあげてます。

チラシも当日パンフも自分で編集デザインしているのですが、ここ数日そればっかりやってます。当日パンフは保存版かも(笑)わかりやすいと思います。お楽しみに。




2011年9月13日火曜日

眠れないなあ

家でできることはもう終わり。
衣装も下準備したし。

荷造りはしてないけど。

明日は松本入り。

肩こりが最近はひどいな。

夜更かしで緊張してるんでしょう。

今日は早く寝よう…と思っているのに目がぎらぎら

あ、これ、パソコンがいけないんですよね。
早く止めよう。
あ、お腹空いてきた。

いかん。

お休みなさい。

2011年9月10日土曜日

いよいよ、松本で木曾義仲!


いよいよ、来週の水曜日に迫ってきました〜〜、平家物語松本公演。
脳みそが平安末期状態。
メールの文章にうっかり、「ござ候ふ」とか「かたじけのう」とか書きそうになったりしてます。
この前リハで松本用の衣装合わせをしたら、美術さんに「オイディプスと牛若丸だねぇ〜(笑)」と言われました。ははは!え?どういうことかって?ひ・み・つ。
そのなぞを知りたい人は、松本に見に来てください〜。見たらすぐ分かります。

木曾義仲にまつわる三話。

琵琶法師達が語り継いできた「平家物語」には無駄な言葉というものがありません。とても簡潔言葉なのに、ダイナミックで深い世界が描かれています。

原文で語る醍醐味は、現代語訳では表せない言葉のニュアンスがたまらなくかっこよくて面白いところですかねえ。
よく、原文は難しくて聞いていても分からないんじゃないかと仰るかたがいますが、ちっともそんなことないんですよ。そこに描かれている人人のドラマは今の私達と何ら変わらないのです。こころが十分に理解できるので、きっと古い言葉は気にならないと思います。試しにぜひ一度聞いてみてください。いえ、むしろなじみのない方にぜひ聞いていただきたいですね。どんな風に感じるのか感想を聞いてみたいですねえ!そしてご自分でも語ってみていただきたいです。

木曾義仲の最大の見所聞き所はやはり「木曾最期」でしょうかねえ。義仲と今井兼平、巴の乳母子同士の強い絆。義仲の孤独。戦描写のの醍醐味。ものすごい話ですよ。

本当にぜひ、聞いていただきたいです。

今回は語りを飛び越えてとても立体的な舞台になっています。
平家?面白そう〜!と集まってくれたスタッフ達が
それぞれの発想で平家物語の世界を表現しています。
まさにコラボレーションと言うにふさわしいと思います。
もう、本当に嬉しいです。私も本当に当日楽しみです。

松本近郊にお住まいのみなさま
ぜひぜひ観にいらしてください。

上演時間は長くありませんので電車でお帰りの方も間に合いますよ〜♪(笑)

2011年8月24日水曜日

「時雨」か「豪雨」か




















昨夜、テレビをつけずにパソコンに向かっていたら
窓の外から虫の声が…

ああ、秋になるんだなあ

久々にゆっくり大きく息を吸いました

家の周辺には樹がいっぱい生えているので
毎夏、「蝉時雨」がものすごいです。
アブラゼミがおもで、ミンミンゼミが少し入っています。
ツクツクボウシはあまり聞かないかな
夕暮れ時はカナカナ……って、なんでしたっけ。ヒグラシ。

「時雨」…というと藤沢周平的な情緒とはんなり感がありますが
余りに蝉が多いと時雨を通り越して
もはや「豪雨」ですね。

それでも、めいっぱい夏を生きている
その感じがたまらなく好きです

その切なさが、何かこう、役者稼業に似ているというか
祭りのように舞台をやって、終わるとなーんにもなくなる
それは切ないもんです。

小さい頃
まだ役者なんてやろうとは思っていなかった小さい頃
夏の終わりを感じると悲しくてやりきれなかった
やりきれないという言葉も知らなかったから
夏が大好きだったけれど、夏のおしまいは胸が痛くなって苦手だった
それでも夏が好きだった

この胸の痛みが切なさだと分かったのは
ずいぶん大人になってから

いまでも、公演が始まるまでは大好きだけど
終演日を予感するようになると
私の中ではおいとまする準備が進んでいきます。
たぶん、急にすべてが終わってしまうと胸が痛いから、かな

やっぱり前世は蝉かも(笑)

ようやっと最近、秋や冬も少しいいかな
と思うようになってきました

少しは人間らしくなってきたのかもしれません。


2011年8月19日金曜日

「フクシマを奏でる」ありがとうございました!

あ。
暦を見たら、もうひと月近く経っていました。

すみません。福島ツアーを丁寧に思い出していたら、こんなに時間がかかってしまいました。

7/26に吉祥寺で開催した、フクシマシリーズ第2弾「フクシマを奏でる」。130名ものお客様がお越し下さいました。
本当にありがとうございました。
今回も本当にみなさまのあたたかい“思い”が
会場中に満ちあふれました。そしてみなさんの思いはきっといつか必ず大きな力になると感じました。

また、7/28の夕方には武蔵野三鷹ケーブルテレビ「デイリー武蔵野三鷹」でとても丁寧なリポートを流して頂きました。ありがとうございました。



今回は福島ツアーの直後だったこともあり、ツアーコンサートを体験して頂きながら、私達が福島で実際に見てきたことのご報告と、避難所で知り合った現地の方々の今の言葉をご紹介し、和合亮一さんの「詩の邂逅」から富岡に住む女性のインタビューを朗読しました。




福島で起きている出来事を忘れないように、と始めたこのイベント。
今回は福島の今を東京の観客の皆さんに我々なりにお伝えしようと思いました。

会場には福島出身の方々も多くいらしていて、故郷福島がこんな風になって本当に悔しい、本当に怒っている、そしてどうかこれからも福島をよろしくお願いします。
そう仰っていたのが心に突き刺さりました。

前回に引き続き来て下さった方々、新しく吉祥寺で出会った福島にゆかりのある方々…。このイベントを通じて、人と人のつながりが拡がっていると感じています。それはとても小さなエリアの小さなつながりかもしれません。しかしこれからは一人一人が考え、声を上げることが、意思表示をすることが必要です。


本・当・は

だーーーーーんっと日本中で力を合わせて、不抜けた永田町をひっくり返して、あたまがメルトダウンしている迷惑な瓦礫的おっさん達を根こそぎさっぱりと片付けて、知恵と行動力と想像力を持った人達の力を結集して、不明瞭な物事をざくざくと明解にしてですね、しがらみ?利権?残念でしたもう終わり〜!カ〜ン♪と鐘を鳴らして、この福島の皆さんの宙ぶらりん状態を早く何とかしたいです。野放しで汚染されていくこの国をどうにかしたいです。

一人一人が気づきましょうなんて段階はとっくに過ぎていて、ごんごん空気を動かしていって、泊原発再稼働などという頭の悪い決定など端からさせない、そういう段階にしたい。

フクシマシリーズはこれからも続けます。
どうかこれからも皆さんの思いと力を持ち寄ってください。
よろしくお願いします。



イベントやってない時も、鼻息荒く、怒りまくっています。

血管が切れそうです。

きっと皆さんもそうだと思います。
くれぐれもご自愛下さい。


2011年8月16日火曜日

福島ツアー日記 その4 川内村〜白河市(終)

翌朝、ブルースとアンディと私は、犬のハヤテ君(めちゃめちゃかわいい子なのだ)とともに、近くの山を散歩しました。日差しがぎらぎらと照りつける中、ところどころに家と田んぼが広がる山あいの緩やかな坂道を登っていきます。川沿いの木々には植物が絡み付いて地面に濃い影を落としていました。

とても静か。


ズボッと出てきたはやて
林業を営むお宅のすぐ脇の山に小さな鳥居があり、私たちはそこから細い山道を登りました。まもなく小さな小さな古い祠のまえにたどり着きました。山の神様か雨乞いの神様か、この地に住む人々が代々、山とともに生きてきた証。

ブルースは祠の脇を通り過ぎ、さらにその先の尾根道をずんずん進んでいきます。190センチ超のブルースが露払いのように、蜘蛛の巣を振り払い絡まりながら「くもさんごめんなさいね~、オー、納豆巻きネ~」とかいいながらとても嬉しそうに登っていくのです。ブルース以上に嬉々としているのがハヤテでした。先になり後になり時折茂みの中に見えなくなったと思うと、思いがけないところからズボッと飛び出してきます。





「あっちの方向に第1原発があるネ」

立ち止まってブルースが指差す方向を私たちは眺めました。
あの山の向こうに無残に崩れ落ちた原発の建屋がある……。

うしろはいわき方面の山
この山には放射能が降り注いでいる、私たちが分け入ってきた尾根道も間違いなく汚染されている……鋭い爪で心臓を引っかかれたような痛みが走りました。

取り返しの付かないことを、本当に取り返しの付かないことをしたのだ。私たちは。チェルノブイリの今を思うと暗澹たる気持ちになりました。

「ここが終点」

ブルースが立ち止まった先を見ると鳥居と祠がありました。ここの鳥居はとてもめずらしい!ブリキの煙突でできているのです。まるでオズの魔法使い!お参りをして、今来た道を引き返しました。帰りは一番小さい私が先頭。後ろの大男たちは結局、蜘蛛の巣だらけになりました。


帰り道、避難して留守だという隣家からじーーっと
こちらを見る視線が……?


山羊。。。。。おどろいた。剥製ではなく生きている山羊さんでした。
山羊はこっちを見たまま、ひどく大きなため息を一つ、つきました。

その後、ブルースとアンディは目の前の川でひと泳ぎ、大満足の様子。冷たいのに!










いよいよ、私たちは白河市に向かって出発しました。

行きがけに草野新平の天山文庫に立ち寄りました。しまっていたけれども、美しい家屋と庭のたたずまいは見事。















白河に近づくとむわっとべたつくような暑さが襲ってきます。街中は圧倒的に緑が少ない。山から下りてきたばかりなので余計にそう感じました。

白河総合運動公園の仮設住宅は街に近くて、幅広い世代が入居しているそうです。
仮設住宅の集会所はどこも同じ造りで、到着後、早速私たちは準備に取り掛かりました。日曜日の午後で、出かけている人も多いらしく、今までの中で一番お客様が少なかったのが少し残念でした。でも音楽好きなわんちゃんがとってもおとなしく聴いてくれたのがとても嬉しかったです(笑)。



 さあ、また車に荷物を積んで、一路、最後のコンサート会場である関の里に向かいます。途中、いろいろと足止めをくって、会場に着いたのが予定よりもずいぶん遅くなってしまいました。待ってくださった皆さん、ごめんなさい!ありがとうございました!


このホテルの宴会場は音の響きがとても良くてのびのび演奏することができ楽しいひとときでした。






3日間5カ所のコンサートが終わりました。


もっと長い時が経ったようです。沢山の方々にお会いしました。震災は悲しいことだけれども、このことがなかったら出会わなかった一期一会の出会い…。音楽と共に一緒に笑って泣いて歌って。皆さんにとって少しでも気晴らしのひとときになれば本望です。これはカート&ブルースが一番はじめに言っていたことですが、来るたびに私達の方こそ沢山の優しさと元気をもらいます。
名残惜しくて、東京に帰りたくない、そんな気持ちになりました。
また、秋に伺います。それまで福島の皆さん、どうか、お元気でお過ごしください。ありがとうございました。(終)



2011年8月8日月曜日

福島ツアー日記 その3 相馬市〜川内村

仮設住宅での演奏を終えると、また雨が降り出しました。私達は今夜の宿泊地、川内村に向かって出発しました。

川内村はカート&ブルースの大好きな、とてもお世話になった村です。

途中、津波によって運ばれた船がごろごろと畑の中にあるのを間近で見ました。海から4キロも離れた場所にもかかわらずです。案内して下さった方の家の1メートル手前までクルーザーが流れてきて間一髪だったとのこと。






















6月すでに雑草は伸びていた


川内村へは、飯舘村、川俣町を通るルートで行きました。

飯舘村の田んぼに生えた雑草がひと月の間に驚くほど伸びて、明らかに荒れた様に感じました。丹精込めてた田が荒れていくのをただ黙ってみているだけなんて、農家の方には拷問に違いありません。

「飯舘牛」という看板が街道のそこかしこに立っています。

先月初めて通ったときは見えない放射能の恐怖を感じましたが、2度目の今回は恐怖よりも荒廃していく里山の風景が重くのしかかります。
ひと月でいっそう荒れている







この美しい豊かな大地が、空気が、森が、山が、放射能によって蝕まれていく。

取り返しの付かないことを国と電力会社はやってしまった。(そしてわれわれはそれを許してしまった。)

彼らはまだそのことを自覚していない……
飯舘の風景を見ながら、立ち入ることのできない20km圏内の町々のことを思いました。まだ行ったことのないそれらの町。一体どうやったらこの大切な土地を、住んでいた人達の手に返すことができるのだろう??
どうすればいいのか…科学者でもない我々に何ができるのか…

峠を越えてすぐの川俣町の田んぼ

飯舘村と川俣町の境はちょっとした峠になっていて、峠を越えて川俣に入ったとたん、鮮やかな稲の緑色が目に飛び込んできます。人々の変わらぬ暮らしがそこにはありました。

そのギャップは衝撃的です。飯舘と川俣の境界にあるものはなんなのか…。






長いドライブの果てに雨模様の日もすっかり落ちて、自分たちの車のヘッドライトしか見えない真っ暗な川内村に到着しました。住んでいらっしゃる家もちらほら見えますが、おおかたはひっそり静まりかえっています。伸び放題の雑草で道幅が狭くなったところもたくさんありました。カエルが鳴いています。ようやく、ブルースの友人のお宅に到着しました。

真っ暗で見えないけれど、すぐ家の前には川が流れており、はっきりと水の音が聞こえ、夜露に濡れた木々のむせかえるような深い緑の匂いがあたりを包み込んでいました。

家の中からは大勢の笑い声が聞こえてきました。

その夜、東京に避難中の主一家を始めあちこちに避難している方々が集まって、おいしいお料理をいっぱい作って私達を歓迎して下さいました。

その自宅兼工房はスローライフそのものの生活をこれまで送ってきた、素晴らしいところです。おいしいお酒でかなり(私が)酔っ払った頃、ブルースが「詩の朗読と即興をやりましょう!」と言いました。今回、コンサートの中で私は福島県出身の草野心平の『麦とゴッホ』を朗読しています。毎回、ブルースとカートとアンディはその詩を聴いて即興で演奏するのです。それはそれは素晴らしい演奏です。村には草野心平の記念館もあり、皆さんよくご存じの詩人です。

今夜ここに集まって下さった方々のために、私達は「麦とゴッホ」を読み、演奏しました。すでにきもちよく酔っていましたから、いささかコントロールが効きませんでしたが、草野心平の言葉が自由に漂い始め、尺八の澄んだ音色が麦畑に吹き渡る風のように、ディジュリデューの低い音が家に共鳴して、私達はまさに大地と自然そのものに包まれました。とても不思議な体験でした。

ほのかな明かりの中で私達は遅くまで語り合いました。

続く。


2011年8月4日木曜日

福島ツアー日記 その2 喜多方〜相馬市


 カート&ブルースはそれぞれ25年以上、日本に住んでいます。震災後、本国の親族や知り合いからすぐに帰ってこいと言うメールや電話が沢山来たそうです。そのときになぜ自分が今、ここ、日本にいて、日本の楽器をやっているのか、ということを自分に問い直し、説明し続けたと彼らは言います。なかなか理解してもらえなかったそうです。福島には友人も多くいて、彼らが困っているときに、なぜアメリカ人と言うだけで自分が日本から逃げなければならないのか。それはできないと。








アンディも来日25年以上。偶然震災の前日にオーストラリアに戻っていて、周りからはとうぜんもう日本には戻らないよね?と言われたけれど、やはり自分の仕事も生活も日本にある…戻るのは当然だと、日本に戻ってきたそうです。




私は彼らと行動を共にして、演奏のすばらしさはもちろんのこと、人柄のすばらしさに心惹かれました。彼らが日本の伝統楽器を自分の体の一部のように演奏するのを見て,日本の伝統文化の可能性を感じました。
喜多方でライブをご覧になった方が、このブログにコメントしてくださいましたように、家業の日本の伝統文化である醸造業をこの状況で続けていくが厳しいと思っていた矢先に、かれらの演奏を聴いて日本の伝統文化のすばらしさを再認識し、もう少し頑張ってみようと仰ってくださいました。

ああ、すごいな。と。嬉しくなりました。









さて、その晩は、塩川の民宿「花菜」に泊めて頂きました。
白い猫ちゃんがいて、言葉を話しているみたいな感じの子で、すーっとやってきて私の部屋に入りたがったのですが、もう寝るからごめんね、と襖を閉めたら、隣の3GUYSの部屋の襖を自分で開けて入っていって、寝ているブルースとアンディの枕元でものすごく怒って、にゃーにゃー!ひとしきり鳴いて出て行ったそうです。ごめんにゃー。猫ちゃん。(とブルースとアンディ。)

翌朝は自家製の野菜づくしのおいしい朝ご飯!ごちそうさまでした!

出がけには昨日のライブを聴いてくださった方が、わざわざ訪ねていらしてとても嬉しかったです。
さあ、西から東へ大移動、一路相馬市へ向かって出発です。



相馬野馬追で道が混んでいるかもと早めに出たら早く着いてしまったので、すこし海岸の方を見ることにしました。

 何もない。。。

ここにきっと集落があったと思われるかすかな跡が地面にあるだけ。

どんな人達ががここに住んでいたのだろうと思い巡らせても手がかりになる物さえもう何も残されていませんでした。













私達は車の窓から津波の痕跡をだまって眺めながら車を走らせました。










仮設住宅に向かう頃には冷たい横殴りの雨が降り始め、半袖短パンの私達は震えるほど。そんな中、偶然、野馬追の行列に遭遇しました。


雨が降り込むのも構わず、夢中でシャッターを切りましたが、ちょっと遠くてイマイチ〜。でも見られないと思っていたのでとても嬉しかったです。







仮設住宅を訪ねるのは初めてです。
まさに報道で見たとおりでした。
小さな集会所に沢山の方が集まってくださいました。元気な子供もいて我々の周りをジャンプしまくってましたね(笑)さしずめ、遊んでくれるのかと思ったのに、なんでこのおじちゃんとおばちゃん達は音楽ばっかりやっているのさ、といったところでしょうか(笑)。でも最期はお箏に興味を持ってカートと一緒にぼろんぼろん弾いてましたね。カートはお箏に興味を持ってくれたことをすごく喜んでいました。


集まってくださった方々に、どちらにお住まいだったのですか、と伺ったらこの下の海の近くだと仰ってました。

たぶん

私達が今さっき見てきたところです。。。


私達はなんと答えればいいか言葉が見つかりませんでした。


でも、終始、和やかな笑顔に満ち溢れた1時間。最期は皆さんの新相馬節をお聴きして、そのきれいなハーモニーに感動!また、皆さんにお会いしたいなあ。


続く。

2011年8月2日火曜日

福島ツアー日記 その1 猪苗代・喜多方

吉祥寺でのライブから慌ただしく一週間が過ぎました。
まずは、カート&ブルース福島ゴーイングホームツアー3のご報告を。

今回はカート&ブルース&私に加え、アンディ・ベヴァン(s.sax,perc,didjurido)さんが参加しました。彼はオーストラリア出身でサックスとパーカッションとアボリジニの伝統楽器ディジュリデューを演奏します。カート&ブルースとは古くからの仕事仲間。

台風一過のからりと晴れ渡った空気の中、はじめに訪れたリステル猪苗代は双葉町の皆さんが避難されているところです。先月もカート&ブルースは演奏に来ました。

階段のある玄関ホールが即席のコンサート会場です。天井が高くて結構響きます。皆さんでせっせと椅子を並べて下さって、あっという間に賑やかな客席が!午後1時半からの開始にむけて、大勢お客様が集まって下さいました。とっても嬉しい!
大勢聴きに来て下さいました

前回カメラを忘れたので、今回は記録係として、出番のないときにせっせと写真を撮りました!

カート&ブルースのやりとりに皆さん本当によく笑ってらっしゃいましたねぇ。



インドの楽器を説明する




カートも浴衣だったのですが「似合ってるよ、かっこいい!」と大向こう?のおばさまから声がかかったりして、本当に楽しかったです。カート&ブルースの曲は、まるで福島の豊かな自然が目に浮かぶよう…アンディのカホーンやディジュリデュー等が加わって、どの曲も楽しくてすぅーっと心に響いてきます。夏らしい「浜辺の歌」を歌ったのですが「うちのところの海を思い出して涙が出た…もう帰れないけどありがとう」と仰った方がいらっしゃいました。。。。「聴きに来て良かったよ」といっていただくと、私達は本当に嬉しいです。





演奏が終わると、また、車に楽器を積んで、猪苗代を後に一路、夜の会場、喜多方へ!左手に猪苗代湖、磐梯山のなだらかな稜線が美しい〜田んぼの緑が目にしみます。






喜多方の街を訪れるのは私は初めてです。蔵造りの建物に興味津々!(でも、時間がなくて、写真は全然撮れませんでした…も〜残念無念)








喜多方の会場は、「二十間蔵」といわれる大きな古い蔵です。
アンティークに囲まれて素敵な雰囲気。

背景の屏風も素晴らしい
「はやてのジグ」では私もインドの楽器を担当

私が出る時は写真が撮れないので、座っていたお客様の唐橋正人さん(←めっちゃイケメン!)に撮影をお願いしてしまいました。いっぱい撮ってくださって忙しかったと思います(笑)。唐橋さん本当にありがとうございましたm(_ _)m。



お客様との楽しいやりとりでみんなで大笑い。皆さん一緒に歌ってくださって喜多方も楽しい素晴らしいひとときでした。蔵は音の響きがいいですね。
ぜひまたゆっくり演奏しに伺いたいです!

続く。