2011年12月17日土曜日

熊本・水俣のみなさん、ありがとうございました!

言霊の熊本・水俣公演が無事終わりました。

両公演ともびっくりするくらいたくさんのお客様にご来場頂き、本当に大変だったことと思います。地元実行委員の皆様のご尽力に心より感謝申し上げます。ご飯を食べる間も寝る暇もないような慌ただしい公演日程でしたが、熊本では石牟礼道子さんにご覧頂き(やはり緊張しました(笑))、水俣では舞台の上でお客様と一緒に浜辺で遊んだようなそんな感覚になりました。作家が言葉を紡ぎ出した地で、こうして声に出すことができるのは、役者としてとても光栄なことだと思っています。

石牟礼さんの言葉のあたたかさと慈しみは、まさに、水俣の持っているあたたかさと慈しみなのだと感じました。

みなさんどんな風に舞台をご覧になったのかなあ、、、。ちなみに私はチョウチョは緑色のほうでした。 
3年前に東京で初演したときとは全然感じ方が異なりました。3.11を経て石牟礼さんと多田さんの言葉が切実に胸に響いてくるのです。そして、私が語った「はにかみの国」「緑亜紀の蝶」「浜ん甲羅」が自分にとって現実のものとなったような気がします。それはやはり先々週石牟礼さんにお目にかかりいろんなお話を伺うことができたのと、水俣の海を見たこと、そして大震災と原発事故の放射能汚染による喪失。
まだよく言葉にできません。

帰る日に急遽水俣にある小学校で交流会をしてきました。子供たちのまっすぐな澄み切った瞳がとっても素敵でした。本当に楽しいひとときでしたね!全員で聴かせてくれた七滝太鼓、わすれません。すばらしかった!!

どうか、また会う日までみなさんお元気でお過ごしください。

また行きますね!




2011年12月7日水曜日

言葉の力は生きる力──12/10「詩の礫」を朗読

3月11日の震災の前
軽い言葉がテレビや雑誌、漫画にあふれ、
もはや言葉は力を持たなくなっているのではないかとさえ思えた。


しかし、3月11日の震災を目の当たりに体験した私たちは
大切なものを失い、困難のまっただ中を生きざるをえなくなった。


みじかい報道の言葉とともに、
被災地の状況を繰り返し映し出す映像は
しまいにはほとんど暴力的な垂れ流しとなり
加えて、政府と東電の発表は隠蔽とごまかしの言葉にあふれ誰も信じなくなった


私たちは文字通り言葉を失った


大人のしでかした犯罪と放射能の後始末を
未来を担う子供たちにお願いしなければならないのに
子供らの健康を守ることさえしないこの国


どの面下げて我々大人は子供たちに希望を持ってくれと言えるのか?


しかし、その絶望の中で私たちに力をくれたのもまた「言葉」だ


私は、震災後に和合亮一さんの「詩の礫」に出会ったことに感謝している
言葉を「伝える」のが俳優の私の役目なのに
震災後、伝えたい言葉が、伝えるべき言葉がまったく見つからなかった


途方に暮れた


しかし福島の詩人が震災と原発事故の只中で
すがるように吐き出し続けたこの言葉の数々は
私たちが知らなければならないものだと感じた


そう、知らなければ、次へ進めない


それ以来、私は和合さんにお許しを頂き
ことあるごとに和合さんの詩を朗読している


次に進むために。


そして、みなさんにも次に進むために聴いてほしい
どうか、まだ、一度も「詩の礫」を読んでいない方、聴いていない方は
言葉を全身で感じて下さい。
お待ちしています。


〜福島を思って〜

金子あい朗読「和合亮一・詩の礫」&波紋音演奏 永田砂知子
ギター&尺八デュオ「ZUI」ライブ
(原とも也・ブルース・ヒューバナー)
12月10日(土)13:30〜15:30(13:00開場)
料金:2,500円*和装の方は500円引
定員:50名

お申し込みは白瀧呉服店まで。
03-3933-0033
http://www.kimono-shirataki.com/main.html


*地下鉄有楽町線「地下鉄赤塚」駅前にある白瀧呉服店は、創業嘉永六年…ペリー来航の年、東京で一番大きな呉服専門店です。こじんまりした日本庭園と大きな座敷があり、ゆったりとした空間は着物を買わなくともぜひ訪れてみたい場所です。

2011年12月3日土曜日

「フクシマの今を聞く」12/4日20:00~21:30FMむさしのFMから全国にOA!!

今週の週刊きちじょうじに記事が掲載されました

みなさま、去る11/28の「フクシマの今を聞く」にご来場くださいまして誠にありがとうございました。また、遠方から応援をしてくださったたくさんの方々にも、心よりお礼申し上げます
ゲストにお迎えした「子供たちを放射能から守る福島ネットワーク」代表の中手聖一さんのお話は、静かな語り口の中に、福島で震災と放射能被害に遭い、行政の支援がない中で子供たちを被爆から守るために活動を始めた中手さん達の様子や、様々な立場、意見の中で、困惑している福島の人々、そしてこれから子ども達のためにやらなければならないことが語られて、これがまさに逃れられない現実のことであると私たちが理解することができました。真剣に聞き入る観客の皆さんの胸に深く突き刺さった中手さんのお話。私たちは突き刺さったことを他の人に伝えなければならないと思います。
「子ども福島」の活動の一助にと当日会場で募ったカンパは95,000円、それに収益金の一部30,000円を足し合計125,000円をお贈りすることができました。皆様の温かいご協力に心から感謝申し上げます。

和合亮一さんの「詩の邂逅」から飯舘村の青年に寄せて書かれた詩を私が朗読しました。
飯舘村は終わらないという言葉が心に重く響きます。

ZUIの演奏は赤とんぼなどの懐かしい曲をジャズにアレンジしたり、本当に心地良い素敵なジャズ&ブルーズを聞かせてくれました。

知ること、想像すること。その一助になればと思います。

このライブの模様は、明日全国に放送されます。
インターネットでむさしのFMのHPにアクセス。サイマル放送でお聴きいただけます!ぜひ、ご家族ご友人と一緒にお聴きください!
12/4日20:00~21:30 
むさしのFM  
「フクシマの今を聞く」
お話:中手聖一「福島の子供たちの現状」
朗読:金子あい「和合亮一・詩の邂逅」
演奏:ギター&尺八デュオ「ZUI」