2014年8月28日木曜日

江戸情緒溢れる 粋な浄瑠璃「新内節」を聴いてみませんか?


連日悩まされた猛暑はどこへ行ったやら、昨日あたりからカナカナも鳴かないほど急に涼しくなりました。それはそれで寂しいですが、皆様お元気でお過ごしでしょうか?
夏休みもあと4日間ですね。宿題は終わりましたか?(笑)

さて、この9月10月は、わたくし、毎週末のように違う作品の舞台に出演しておおいそがしでございます。名付けて「金子あい★秋の一人文化祭」!!(笑)。ぜひぜひ、いくつか足をお運び頂ければ幸いです。

「秋の芸術祭」第1弾としてご紹介しようと思った9/6(土)神楽坂の和蝋燭屋さんでの平家物語のミニトーク&ライブは早速に満員となりました〜〜申し訳ございません。というわけで、第2弾をご紹介します!


粋で官能的な江戸浄瑠璃「新内節」を聴いてみませんか?
わたくし新内浄瑠璃に出会ったのはかれこれ12,3年ほど前、今の師匠である鶴賀若狭掾と舞台で共演したのが始まりでした。粋で官能的な節回し…その時は自分が習うことになるとは予想だにしませんでしたが、(中略)習い始めて10年くらいになります。数年前に名取になり「鶴賀 伊勢藍」の名前を頂きました。

*初代鶴賀若狭掾を始祖とし1760年頃に生まれた新内節は、官能的、情緒的な語り口で江戸庶民から愛された身近な音楽でした。小説家・劇作家の川口松太郎が新内芸人の男女を描いた名作『鶴八鶴次郎』は1935年(昭和10年)第1回直木賞を受賞しました。映画化もされましたのでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

そんな江戸情緒溢れる浄瑠璃、新内節の明日を担う若手伝承者の会があります。
不肖わたくしも今回初めて出演させて頂くことになりました。諸先輩方の生き生きした芸とトリをつとめる人間国宝鶴賀若狭掾の艶やかで円熟した芸をたっぷりとお楽しみ下さい。
私にお申し込み下さった方には、「明烏」のあらすじと解説をメールでお送りいたしますので、初心者でも大丈夫です。
心よりお待ちしております。


【演 目】
一、明烏後正夢ー下ー
    浄瑠璃 鶴賀 伊勢藍(金子あい)
    三味線 鶴賀 伊勢一郎
    上調子 鶴賀 伊勢幸

一、日高川入相花王ー飛込みー
    浄瑠璃 鶴賀 伊勢吉
    三味線 新内 勝一朗
    上調子 鶴賀 喜代三郎

一、妹背の門松
    浄瑠璃 岡本 宮之助
    三味線 鶴賀 喜代寿郎
    上調子 岡本 文之助

一、苅萱桑門筑紫𨏍ー高野山の段ー
    浄瑠璃 新内 剛 士
    三味線 新内 勝志壽
    上調子 新内 勝志帆

一、鬼怒川物語ー身売り 下ー
    浄瑠璃 鶴賀 若狭掾
    三味線 新内 仲三郎
    上調子 鶴賀 伊勢一郎

【日 時】2014年9月21日(日)15時開演(14時半開場)
【会 場】紀尾井小ホール
     千代田区紀尾井町6−5
     03-5276-4500
【料 金】全席自由 2000円
【お問合せ】金子あい、auaplus@gmail.com
      各出演者または新内協会(03-3260-1804)

2014年8月15日金曜日

アリスin多賀城、心が繋がる公演でした♪

「 日生劇場 meets 仙台フィル アリスのクラシックコンサート 5つの魔法の声 多賀城公演」8/10、多賀城市民文化センターで大盛況のうちに幕を閉じました!
お越し下さったお客様、素晴らしい演奏をして下さった仙台フィルの皆さん、全てのスタッフの皆さんに心より感謝申し上げます。

今回は寄せられたアンケートの数がすごかったんですよ!日生劇場では合計800枚、多賀城公演ではなんと450枚!キャスト一同すべてのアンケートを読ませて頂きました。登場人物のイラスト入りのもの、可愛い字で裏側にまで感想を書いてくれたもの、大人の方々からのご感想までどれもこれも嬉しい感想がいっぱい。本当にありがとうございました。

それでは多賀城公演のご報告です♪

8/8に仙台入りした我々キャスト一行。はやぶさは速い〜っ!ワクワクする気持ちを抑えきれず、往きの東北新幹線ですでに久々に会ったいとこ同士の夏旅行並みに盛り上がりを見せる女子。
左からワタクシ、演出助手の伊奈山さん、主演の鵜木絵里ちゃん。
1日目はオケ合わせ。ワタクシ、仙台フィルさんとご一緒するのは今回が始めて(そもそもオケとご一緒する仕事は少ないですけどね)。と言っても20数曲あるうちで、ワタクシが歌うのは最後の1曲。しかもソロは2小節のみ(笑)。ほとんどの時間を客席で歌と演奏を聴くという役得。オーケストラが変わると音の響きや細かい表現も変わるんですねぇ。面白い!素敵!やっぱり生音は凄いです。ワタクシの仕事時間は正味3分でした(笑)。
オケ合わせちう
さて、早々とホテルにチェックインした我々一行は仙台の街へ繰り出す前にケーキタイム(明日からは体力勝負だからね、食べとこ、食べとこ)。このお店とても美味しそうなゴージャスなケーキがいっぱい。テノールの高田さんはケーキセットの飲みものを頼む時に「シャンパンありますか?」ときいて若くてきゃわゆい店員にどん引きされてました。さすがだ(笑)。


左から、斉木ゾウ、鵜木アリス、与那城ウサギ、高田ネコ、彌勒トリ、金子ハートの女王。
ケーキを待ってます。


この日は仙台七夕祭りの最終日、七夕飾りを見るのははじめてです。台風の影響で雨脚が強くなった仙台市内ですが、浴衣の人も多くすごい人出!アーケードというアーケードに数えきれないほど下がった飾りと人の波をかき分けかき分け辿り着いた先は「昭和」のかほり漂う横丁(名前は忘れちゃった…)。

ぜんぶでいくつあるんだろう〜と思わずにはいられない大量の飾りは圧巻でした。
映画か舞台のセットかと思うような古いたたずまいのアパート?やお店 がそこかしこにあり、もぉ〜たまりませんっ!!しかも新しいこじゃれたバーやお店もいっぱい。毎日通っても飽きなさそう〜。夕食を食べたお店も美味しくってご機嫌ちゃんでホテルに帰りました。
何とか横丁には映画のセットかと思うような昭和の世界が残っていました〜。
翌8/9、会場である多賀城市民文化センターに到着するとロビーには私たちの等身大のパネルが!テンションマックス、さっそく記念撮影。お客様が喜んでくれるといいなあ。
出演者の身長に合わせて本当に「等身大」のパネル。
ちょっと照れくさいけど、それぞれのキャラクターがばっちり写ってるいい写真です。
来年3月の可児市にも登場しますよ!


場当たりの後、仙台フィルの皆さんと共にゲネプロを行います。日生劇場とは舞台の寸法やバックヤードの動線や楽屋からの距離が異なるので、体に覚えさせます。

今回の舞台美術は「プロジェクションマッピング」という最新技術を使いました。東京駅とかディズニーランドのシンデレラ城などの建物にピッタリ合わせて映像を投影するアレです。白いキノコ型の大道具や吊りものに色とりどりの映像が投影されてそれぞれのシーンを盛り上げました。実は出演者はこのプロジェクションマッピングの映像を舞台上でほとんど見られないので、自分が演じているシーンでどんな映像が映し出されているのかさっぱりわからないまま(それでも十二分に舞台上は面白いです(笑))だったのですが、このゲネプロを撮影して皆でざっと見たらものすごい映像効果でびっくり!またまたテンションマックス!明日の本番が楽しみになりました。

ハートの女王のお城のシーン。
女王の椅子以外は全てプロジェクションマッピングの映像。

翌8/10、近づく台風であいにくの雨となりましたが、会場には続々とお客様がやってきます。今回も「警備隊長」はロビーを巡回警備しました。といっても日生劇場のようにロビーが大きくて複雑ではないので、巡回もあっという間。そこで、パネルを警備することに(笑)。
これで今回の登場人物勢揃いです〜!すこし離れた所に立っていたのですが、開演前にパネルの前で記念撮影する親子連れが何組もいらっしゃいましたので、シャッターを切る瞬間に気付かれないように一歩近づいては一緒に写真に入ってみました。ウッシッシ(笑)。後で写真見てびっくりしたことでしょうね〜〜。

警備隊長とハートの女王が同じ人とはお釈迦様でも気が付くめぇ。
本番は、本当に素敵でした。今回のテーマ「音楽は心を繋ぐ」「離れたら何度でも繋ぎなおせばいい」そのことを舞台に乗っている私たち自身が一番感じたミラクルな時間でした。舞台は幕が上がったら必ず幕が下ります。どんなにそのままでいたいと思ってもそれは叶わない。儚いからからこそ胸を打つのかもしれません。はじめは遠慮がちな多賀城のお客様も最後には大きな声で一緒に歌って下さって、いっぱいの拍手を頂きました。そしてカーテンコールも終わり、出演者が袖に引っ込んだ後、舞台に残った仙台フィルさんとお客様の間で歓声が上がりました。震災後、被災地での演奏に力を入れて来た仙台フィルさんの想いが私たちにも伝わってきてうるうるしてしまいました。

最後に記念撮影、パシャリ!また来年3月に可児市公演で会いましょうね。
そして、来年7月の日生劇場アリスのクラシックコンサートにもぜひまた足をお運び下さい♪

またね♪

2014年8月6日水曜日

アリスのクラシックコンサート楽しかったぁ~!

左からネコ役のテノール高田正人さん、ワタシ、トリ役のカウンターテナー彌勒忠史さん
あっぷ!

これは誰でしょう〜?(笑)サミット駐車場にいる警備員さんではありません〜
めっちゃ元気な戦闘系男児トリオに見つかった!敬礼で記念撮影。
日生劇場アリスのクラシックコンサートがあっという間に終わりました。朝11時と15時開演の2日間4回公演というビミョーなハードさ。でもあっという間でした。楽しかったぁ〜。素晴らしい共演者、スタッフ、そして観に来てくださった子供たちと大きいお友達の笑顔とまっすぐな声に感動!張り切って演じましたよ。おかげで終わった後は全身筋肉痛と打ち身で蟹のようでした(体力落ちたなぁ…とほほ)。
今回はハートの女王の他に、前半、警備隊長という役もやりました。警備員なのか憲兵隊長なのか、イマイチビミョーなネーミング。後から脚本家に聞いたら「憲兵隊長って単語が思い出せなくて警備隊長って書いたら間違えちゃったー(≧∇≦)」ですって。途中で訂正しろよー!
そんなわけで限りなく警備員な隊長はアリスを魔法の鏡で動物に変えようとして間違って自分が犬になってしまうというヘッポコ振りを発揮しまくりました。
稽古中はスーパーの駐車場のパートおばさんになるのではないかと心配していたのですが、メイクと衣装をつけた私を見た演出家の粟國さんがゲラゲラ笑いながら「大丈夫。おばさんには見えない。ものすごくおじさんに見える。」と太鼓判を押したズッコケおじさんぶりを発揮。実はお遊びで、開演前のロビーを警備隊長姿で、警備することに〜(笑)「トイレどこですか?」「エスカレーターどこですか?」と普通に聞かれる中、私の顔の濃さにガン見、2度見する子どもも続出、でも知り合いは気付かずスルー。可笑しくて噴き出しそうになりながら顔はクールにハードボイルドに。
ところが最終回、同級生マサコさんが元気な戦闘系男児トリオを連れてやって来ました。男児たちはさっそく警備隊長姿の私の向かいに置いてある扇風機にガオーとやりはじめたので睨みつけていたら、マサコさんが私をじっと見ているではありませんか。う、やばい!そしてこっちへ近づいてくると「ね、あいちゃんよね?あいちゃんでしょ?!」頼む〜〜マサコさんそっとしておいてくれ〜というわけで、結局、戦闘系男児トリオと記念写真を撮る羽目に(≧∇≦)。ちょっと照れてる警備隊長でした。

マサコさんいわく
「あいちゃん、想定外過ぎて3分くらい見つめたよ。ヅカ上がりの警備員なのかしら? てか、男なのかしら女なのかしら?? 年齢も不詳過ぎるわ…と。
普段じっとしていられない戦闘系男児トリオも大喜び、オトナも大満足の、素晴らしいコンサートてした!!」

打って変わって後半のハートの女王は優雅で冷酷そしてちょっとセクシー(*^^*)。歌うことを禁止した女王の過去には何があったのか?アリス達のまっすぐであたたかい心と音楽のに動かされ「心が離れたら、何度でも繋げばいい。音楽は心をつなげる」というアリスの言葉を信じることにした女王。
今回の物語はアリスと仲間たちの成長とともに、ハートの女王の成長も描かれていてとても胸を打つ素敵な物語でした。
そして何と言っても歌の素晴らしさ!アリスの鵜木さんには初共演の時からノックアウトされてしまいましたが、今回のカウンターテナー彌勒忠史さん、テノール高田正人さん、バリトン与那城敬さん、バス斉木健詞さんにも完全ノックアウト!かっこよ過ぎです。ずっと聴いていたい〜。歌って素晴らしい(≧∇≦)。
というわけて、優雅で冷酷なハートの女王とへっぽこな警備隊長。両極端な美味しい役を2つもやらせていただき本当に楽しかったです(息切れしたけどね)。この作品は8/10に多賀城。来年3/13に可児市でも公演します。みなさん待っててね。