先週
いよいよファイナル公演と聞き
渡辺美佐子「化粧 二幕」を見に行った
最後の舞台挨拶で渡辺さんが
この拍手が井上さんにも届いていることと思います
とおっしゃった時には泣けてしまった
そう井上さんとは
先日お亡くなりになった井上ひさしさん
「化粧」の作者である
28年前に初演されたこの一人芝居
渡辺美佐子さんという女優を丸ごと飲み込んで
戯曲と女優が繩をなうように一つになった作品だ
そして
井上さんらしい芝居だなあと
旅回りの大衆演劇の一座
座長の五月洋子が楽屋で出番前に
化粧をしながらずっと喋っている
楽屋うちの裏の姿が描かれる
そのディテールが本当に面白い
中高年が多い客席からは
白塗りのひと刷毛毎に
感嘆の声が漏れていた
ひとつもかっこ良くなくて
キレイなところも見せてないのに
滑稽な姿なのに
それが人生なんだよなあと
しみじみ思ってしまう
本当に五月洋子という座長に
会ったような記憶が残るのだ
なんだか井上さんの演劇や俳優に対する
愛情を感じるのだ
井上ひさしさんがいなくなり
私たちは大きな指針を失った
渡辺美佐子さんの五月洋子は
もう見られないかもしれないが
お客様の中に五月洋子と
井上ひさしは生き続ける
井上さんの芝居を上演し続けなければならないと思った
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