2012年1月22日日曜日

「フクシマを思うシリーズ4」の見どころ聞きどころ(1)〜詩〜

毎回、楽しみにして頂いている詩の朗読。この会で読むのにふさわしい詩を見つけるのは、実はなかなか容易ではありません。面白いもので、ひとくちに「詩」と言っても、読んで伝わる詩と声に出して伝わる詩とあるんです。内容はぴったりなのに声に出して読んでみると、どうもすっと胸に響かない…なんていうのも多々あります。


このイベントのきっかけとなった和合亮一さんの詩はそういう意味では読む詩ですね。それは、和合さんが演劇をやってらしたり、ご自分で読むことが少なからず影響をしていると思います。そういえば、ある番組で被災地を歩く和合さんがレコーダーに思いつくまま言葉を吹き込んでいるのを見ました。私はとても納得しました。


昨年のフクシマを思うシリーズの3回は、毎回のテーマに合わせ、和合さんの「詩の礫」や「詩の邂逅」の中から読みました。和合さんの震災の詩はいわば生々しいドキュメンタリーです。その言葉の力をぜひみなさんにお伝えしたかった。


4回目となる今回はもう少し世界を広げて、ぜひとも違う詩人の詩を読んでみたいと思い、いろいろ探してみました。そうしたら、出会ったのです。


一つは辺見庸さんの詩集『眼の海』から一編。
震災以降書くことがなかなかできなかったと、週刊金曜日のインタビューで答えてていらっしゃる辺見さん。『眼の海』は「死者と向き合い、正気と狂気の間にたゆたう時代の虚実をあらわし」ており、読み手の心をえぐります。その中から一編読みたいと思っています。


もう一つは、仙台在住の詩人斎藤紘二さんの「石棺」という詩。
これは昨年12月24日の東京新聞に掲載されていたもので、まさに福島第一原発そのものを語っています。思わず口に出して読んでみると、すっと言葉が連なりました。これを読んだら皆さんはどう感じるのだろうか?是非読んでみたい、そう思って選びました。斎藤先生にお話をするととても喜んで下さり、この詩は朗読することを考えて作った詩だとおっしゃいました。やはり、と思いました。


そして、間もなく震災から一年を迎えようとする今、私たちがもう一度原点に立ち返り、あの日何が起こり、今何が起こっているかを心に刻む為にも、和合さんの一連の震災の詩の中からまだ読んでいないところを読もうと思います。


この3編の詩の世界を、打楽器奏者の橘政愛さんが一緒に作り上げてくれます。橘さんはいろいろなものを叩いて楽器にしています。これまでも仕事をご一緒してきましたが、芝居に寄り添い、俳優の演じる世界を膨らませる事のできる素晴らしい打楽器奏者です。私と二人のコラボレーションをぜひ味わって下さい!
皆様お誘い合わせの上お越しください。お待ちしております。


●フクシマを思うシリーズ4
「放射能汚染から農業は取り戻せるのか?〜チェルノブイリと福島〜」
2012年2月5日(日)14:00開演/13:30開場

 ゲスト:河田昌東(NPO法人チェルノブイリ救援・中部理事)
朗読:金子あい/打楽器:橘 政愛
会場:吉祥寺南町コミュニティセンター ホール
武蔵野市吉祥寺南町3-13-1(0422-43-6372)
吉祥寺駅公園口下車井の頭通りを西荻窪方面に徒歩約12分、前進座隣り
料金:2000円


お問合せ・ご予約 は、090ー2474ー7911(鎌内)  fukushima.omou@gmail.com





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