2011年8月4日木曜日

福島ツアー日記 その2 喜多方〜相馬市


 カート&ブルースはそれぞれ25年以上、日本に住んでいます。震災後、本国の親族や知り合いからすぐに帰ってこいと言うメールや電話が沢山来たそうです。そのときになぜ自分が今、ここ、日本にいて、日本の楽器をやっているのか、ということを自分に問い直し、説明し続けたと彼らは言います。なかなか理解してもらえなかったそうです。福島には友人も多くいて、彼らが困っているときに、なぜアメリカ人と言うだけで自分が日本から逃げなければならないのか。それはできないと。








アンディも来日25年以上。偶然震災の前日にオーストラリアに戻っていて、周りからはとうぜんもう日本には戻らないよね?と言われたけれど、やはり自分の仕事も生活も日本にある…戻るのは当然だと、日本に戻ってきたそうです。




私は彼らと行動を共にして、演奏のすばらしさはもちろんのこと、人柄のすばらしさに心惹かれました。彼らが日本の伝統楽器を自分の体の一部のように演奏するのを見て,日本の伝統文化の可能性を感じました。
喜多方でライブをご覧になった方が、このブログにコメントしてくださいましたように、家業の日本の伝統文化である醸造業をこの状況で続けていくが厳しいと思っていた矢先に、かれらの演奏を聴いて日本の伝統文化のすばらしさを再認識し、もう少し頑張ってみようと仰ってくださいました。

ああ、すごいな。と。嬉しくなりました。









さて、その晩は、塩川の民宿「花菜」に泊めて頂きました。
白い猫ちゃんがいて、言葉を話しているみたいな感じの子で、すーっとやってきて私の部屋に入りたがったのですが、もう寝るからごめんね、と襖を閉めたら、隣の3GUYSの部屋の襖を自分で開けて入っていって、寝ているブルースとアンディの枕元でものすごく怒って、にゃーにゃー!ひとしきり鳴いて出て行ったそうです。ごめんにゃー。猫ちゃん。(とブルースとアンディ。)

翌朝は自家製の野菜づくしのおいしい朝ご飯!ごちそうさまでした!

出がけには昨日のライブを聴いてくださった方が、わざわざ訪ねていらしてとても嬉しかったです。
さあ、西から東へ大移動、一路相馬市へ向かって出発です。



相馬野馬追で道が混んでいるかもと早めに出たら早く着いてしまったので、すこし海岸の方を見ることにしました。

 何もない。。。

ここにきっと集落があったと思われるかすかな跡が地面にあるだけ。

どんな人達ががここに住んでいたのだろうと思い巡らせても手がかりになる物さえもう何も残されていませんでした。













私達は車の窓から津波の痕跡をだまって眺めながら車を走らせました。










仮設住宅に向かう頃には冷たい横殴りの雨が降り始め、半袖短パンの私達は震えるほど。そんな中、偶然、野馬追の行列に遭遇しました。


雨が降り込むのも構わず、夢中でシャッターを切りましたが、ちょっと遠くてイマイチ〜。でも見られないと思っていたのでとても嬉しかったです。







仮設住宅を訪ねるのは初めてです。
まさに報道で見たとおりでした。
小さな集会所に沢山の方が集まってくださいました。元気な子供もいて我々の周りをジャンプしまくってましたね(笑)さしずめ、遊んでくれるのかと思ったのに、なんでこのおじちゃんとおばちゃん達は音楽ばっかりやっているのさ、といったところでしょうか(笑)。でも最期はお箏に興味を持ってカートと一緒にぼろんぼろん弾いてましたね。カートはお箏に興味を持ってくれたことをすごく喜んでいました。


集まってくださった方々に、どちらにお住まいだったのですか、と伺ったらこの下の海の近くだと仰ってました。

たぶん

私達が今さっき見てきたところです。。。


私達はなんと答えればいいか言葉が見つかりませんでした。


でも、終始、和やかな笑顔に満ち溢れた1時間。最期は皆さんの新相馬節をお聴きして、そのきれいなハーモニーに感動!また、皆さんにお会いしたいなあ。


続く。

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